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「補助金なんて大企業の話でしょ?」──いいえ、個人飲食店こそ使える小規模持続化補助金の話

従業員5人以下の個人飲食店が使える小規模持続化補助金。最大50万円(条件次第で200万円)が戻ってくる。メニュー看板の作り替え、チラシ印刷、HPの制作費まで対象。申請の流れ、事業計画書の書き方、採択されるコツを元商工会議所の支援事例をもとに解説。

飲食店小規模持続化補助金補助金個人店事業計画書申請販路開拓2026年
目次

「補助金」と聞いて、自分には関係ないと思っていないか?

「補助金って、申請書類が大変そう」「うちみたいな小さな店には無理でしょ」

──こう思っている個人飲食店のオーナーは多い。

でも、小規模持続化補助金は、まさに「あなたのような小さな店」のために作られた制度だ。

  • 対象: 従業員5人以下の小規模事業者(個人飲食店の大半が該当)
  • 補助額: 最大50万円(条件次第で200万円)
  • 補助率: かかった費用の3分の2が戻ってくる
  • 使い道: 看板、チラシ、HP制作、新メニュー開発の試作費まで

つまり、75万円で看板を作り替えたら、50万円が戻ってくる。 実質25万円で新しい看板が手に入る計算だ。


何に使えるのか?──飲食店でよくある使い道

使い道具体例費用の目安
看板・外装店名看板の作り替え、A型看板の新設20〜50万円
チラシ・ポスティング新メニューの告知チラシ1万部5〜15万円
ホームページ制作お店のHP新規作成、予約機能追加15〜40万円
メニュー表写真入りメニュー表の制作5〜20万円
新メニュー開発試作用の食材費、外部講師への謝金10〜30万円
店舗改装(集客目的)テイクアウト窓口の新設、入口の改修30〜100万円

注意: 日常の仕入れ費用や、既存の光熱費・家賃は対象外。あくまで「新しく売上を伸ばすための取り組み」に使える費用が対象。


申請の流れ──思ったより単純だ

ステップ1: 商工会議所に相談する(0円)

最寄りの商工会議所(または商工会)に電話して「小規模持続化補助金を使いたい」と伝える。

  • 経営指導員が無料でアドバイスしてくれる
  • 事業計画書の書き方を教えてもらえる
  • 「事業支援計画書」という推薦書を発行してもらう(申請に必須)

商工会議所の会員でなくても相談できる。非会員でも申請可能。

ステップ2: 事業計画書を書く

A4で5〜8ページ程度。中身は4つだけ。

① 自社の概要と強み 「創業8年の和食居酒屋。地元産の魚を毎朝仕入れ、刺身の鮮度には自信がある。」

② 現在の課題 「駅の反対側に新しい居酒屋ができ、新規客が減っている。通りからの視認性が低く、初めてのお客さんが気づきにくい。」

③ やりたいこと(補助事業の内容) 「①通り沿いにLED看板を設置し視認性を上げる ②Googleマップに連動するHPを作成 ③新しいランチメニューのチラシを近隣にポスティング」

④ 期待する効果(数字で書く) 「看板設置で通行人の入店率が5%→10%に向上、月15万円の売上増を見込む。HP経由の予約が月10件増え、月8万円の売上増。」

数字があるかないか、それが採択と不採択の分かれ目。

ステップ3: 電子申請する

2026年現在、申請はjGrants(電子申請システム)のみ。紙での申請は不可。

  1. GビズIDプライムを取得する(無料、取得に2〜3週間かかる)
  2. jGrantsにログインし、事業計画書をアップロード
  3. 商工会議所の「事業支援計画書」も一緒に添付

GビズIDの取得に時間がかかるので、申請を考えたらまずGビズIDを取得すること。 締切直前に慌てても間に合わない。

ステップ4: 採択後、事業を実施

採択されたら、計画書に書いた内容を実施する。

  • 実施期間は約6ヶ月
  • 見積書、発注書、請求書、領収書をすべて保管する
  • 写真も撮っておく(看板のビフォー・アフターなど)

ステップ5: 実績報告書を提出 → 入金

事業完了後、実績報告書を提出。審査を経て、補助金が振り込まれる。


採択されるコツ──不採択の典型パターンを避ける

不採択になる計画書の特徴

パターン改善策
数字がない「売上が増えると思う」「月15万円の売上増を見込む」
強みと取り組みが繋がらない「刺身が強み」→「HPを作る」「刺身が強み」→「鮮度の写真を載せたHPで予約を増やす」
誰にでも当てはまる内容「集客のためにチラシを配る」「半径500mのマンション3,000世帯にランチチラシを配布」
効果の根拠がない「HPで集客が増える」「近隣の類似店のHP開設後、月10件の予約増加実績を参考に」

採択される計画書の共通点

  1. 「誰に」「何を」「どうやって」が明確
  2. 自社の強みから逆算した取り組み
  3. 効果を数字で見込んでいる
  4. 写真や図を使って視覚的にわかりやすい

補助金額を200万円まで引き上げる方法

通常枠は50万円だが、以下の条件を満たすと上限が上がる。

上限額条件
通常枠50万円条件なし
賃金引上げ枠200万円事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上に設定
卒業枠200万円従業員を増やして小規模事業者の定義から卒業する
後継者支援枠200万円アトツギ甲子園のファイナリスト
創業枠200万円過去3年以内に「特定創業支援等事業」を修了

最も現実的なのは「賃金引上げ枠」。 アルバイトの時給を地域別最低賃金+30円以上にしていれば申請できる。

例えば、東京都の最低賃金が1,163円(2025年10月現在)なら、時給1,193円以上を設定していればOK。実質的にはすでに条件を満たしている店も多い。


よくある疑問

Q. 確定申告の青色・白色は関係ある?

関係ない。白色申告でも申請可能。ただし、「確定申告書」は提出書類として必要。

Q. 開業1年目でも使える?

使える。ただし、確定申告書がない場合は「開業届の写し」で代用できる場合がある。商工会議所に確認しよう。

Q. 他の補助金と併用できる?

原則として、同じ経費に対する二重補助はできない。ただし、IT導入補助金で「POSレジ」、持続化補助金で「看板」のように、異なる経費に対してそれぞれの補助金を使うことは可能。

Q. 飲食店で一番使われている使い道は?

経済産業省の採択事例によると、①HP制作・リニューアル ②チラシ・ポスティング ③看板・外装 の3つが圧倒的に多い。


今すぐやること──チェックリスト

  • GビズIDプライムを申請する(取得に2〜3週間かかる)
  • 最寄りの商工会議所に電話する(「持続化補助金を使いたい」と伝える)
  • 次回の公募締切を確認する
  • 自分の店の強みを3つ書き出す
  • 「やりたいこと」と「期待する売上増」を数字で書く

補助金は「知っている人だけが得をする」制度だ。 知らなければ、75万円で作った看板は75万円のまま。知っていれば、実質25万円になる。

その差50万円。使わない手はない。


KitchenCostは、個人飲食店の原価計算を簡単にするアプリです。「仕入れにいくらかかっているか」「1皿あたりの原価はいくらか」──補助金の事業計画書に書く数字も、日々の原価管理から見えてきます。

よくある質問

小規模持続化補助金は飲食店でも使えますか?

はい、使えます。小規模持続化補助金の対象は「常時使用する従業員が5人以下」の商業・サービス業です。個人経営の飲食店はほとんどがこの条件を満たします。飲食業の場合、メニュー表やチラシの作成費、看板の改修費、ホームページの制作費、新メニュー開発のための食材費(試作費)、店舗改装費(集客目的のもの)などが補助対象になります。補助率は3分の2、上限は通常枠で50万円ですが、賃上げ枠やインボイス特例を使えば最大200万円まで拡大します。

事業計画書は自分で書けますか?

はい、自分で書けます。事業計画書はA4で5〜8ページ程度。難しい専門用語は不要で、①自分の店の現状と強み、②課題(例:新規客が少ない、通りからの視認性が低い)、③やりたいこと(例:看板を作り替えて視認性を上げる)、④その効果(例:通行人の入店率が5%→10%に上がり、月15万円の売上増を見込む)──この4つを具体的な数字で書けば合格ラインです。商工会議所の経営指導員に無料で相談でき、計画書の添削もしてもらえるので、まずは最寄りの商工会議所に『持続化補助金を使いたい』と電話しましょう。

申請から入金までどのくらいかかりますか?

申請から入金まで約6〜9ヶ月かかります。流れは、①公募開始後に申請(締切は年2回程度)、②審査期間2〜3ヶ月、③採択通知、④事業実施期間(約6ヶ月)、⑤実績報告書の提出、⑥補助金の入金。注意点は「先に自分で費用を全額支払い、後から補助金が戻ってくる」仕組みであること。つまり、50万円の補助を受けるなら、まず自分で75万円(50万円÷2/3)を用意する必要があります。手元資金に余裕がない場合は、実施内容を小さく始めて段階的に進めるのも一つの方法です。

不採択になったらどうすればいいですか?

再チャレンジできます。小規模持続化補助金は年に複数回公募があるので、不採択の場合は次回に再申請が可能です。不採択の主な理由は、①計画の具体性不足(数字がない)、②効果の見込みが根拠薄弱、③自社の強みと取り組みが結びついていない──の3つ。商工会議所の経営指導員に不採択理由を相談し、計画書を修正して再提出しましょう。1回目で不採択、2回目で採択された事例は非常に多いです。

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