ブログ

飲食店の自家消費、いくらで計上する?70%ルールをやさしく解説(2026年)

店主が食べた分をいくらで売上に入れるか——迷ったら『通常販売価額の70%、ただし仕入価額を下回らない』で固定する方法を紹介します。

公開 2026年2月17日
·
更新 2026年2月18日
飲食店 自家消費飲食店 自家消費 仕訳飲食店 自家消費 消費税個人事業主 まかない飲食店 原価計算2026
目次

確定申告の季節、毎年同じ疑問が浮かぶ。

「店で食べた分って、いくらで計上するの? 原価? 売価? その間?」

結論から言うと、国税庁が示している基準があります。 それを知って固定するだけで、毎年の迷いがなくなります。

先に結論

  • 自家消費は「仕入価額を下回らない」ことがまず大前提
  • 迷ったら「通常販売価額の70%」を基準に。ただし仕入価額が上回る場合はそちらで計上
  • 店主本人分と従業員分は同じ表に混ぜないこと

なぜ今この話が大事なのか

2025年の飲食店倒産は900件で過去最多(帝国データバンク)。 価格転嫁率は**32.3%**で全業種平均を下回っています。

2026年2月だけで飲食料品の値上げは674品目。酒類・飲料は298品目。 仕入れ値が頻繁に動く時期だからこそ、自家消費の計上ルールを固定しておかないと、申告時に数字が合わなくなります。

用語をかんたんに

  • 自家消費: 店の商品を店主自身の生活で使うこと
  • 通常販売価額: お客さんに売っている値段
  • 仕入価額: その商品にかかった仕入れの金額

ルールのポイント

消費税の考え方

国税庁 No.6317では、個人事業者の自家消費は原則「時価」。 ただし棚卸資産は、仕入価額以上かつ通常販売価額のおおむね50%以上で申告する扱いも認められています。

70%ルール

国税庁の質疑応答事例では、**通常販売価額の70%**で計上する方法が、仕入価額を下回らない限り認められると示されています。

経費の注意点

国税庁 No.2210では、家事上の費用は必要経費にならないとされています。 店主本人分は従業員向けの食事管理と分けて運用してください。

実務で使うルール

計上額 = max(仕入価額, 通常販売価額 × 70%)

「毎回時価を厳密に出すのは大変」という店は、この式で固定するのが現実的です。

数字で見てみる

ケース1: 通常販売価額 1,000円 / 仕入価額 420円

1,000 × 70% = 700円
仕入価額420円 < 700円 → 700円で計上

ケース2: 仕入価額が760円に上がった場合

1,000 × 70% = 700円
仕入価額760円 > 700円 → 760円で計上(仕入価額を下回らない)

月末にまとめて見直すときも、このルールなら迷いません。

ありがちな失敗

  • 店主分と従業員分を同じ表で管理している
  • 仕入価額より低い金額で計上してしまう
  • 計上ルールが月によって変わる
  • 年末にまとめて計算しようとして記録が足りない

今週やること

  • 自家消費の対象メニューを決める
  • 「通常販売価額・仕入価額・食数」を毎日記録する
  • 月次の計上ルールを1つに固定する
  • 店主分と従業員分を分ける
  • 月末に税理士へ確認する項目をメモしておく

まとめ

自家消費の計上は、完璧な仕訳から始めなくて大丈夫です。

「仕入価額を下回らない」「ルールを固定する」「店主分を分ける」。 この3つを守るだけで、申告前の混乱はかなり減ります。

関連ガイド

参考(確認日: 2026-02-17)

よくある質問

自家消費は、いくらで計上すればいいですか?

消費税法の原則は時価です。ただし棚卸資産については、仕入価額以上かつ通常販売価額のおおむね50%以上で申告する扱いが認められています。

70%で計上する方法は使えますか?

国税庁の質疑応答事例で、通常販売価額の70%で計上する方法は仕入価額を下回らない限り認められると示されています。実務ではこれを基準にする店が多いです。

店主のまかないも経費で落として大丈夫ですか?

家事上の費用は必要経費にならないため、店主本人分は従業員分と分けて管理してください。混ぜると申告時に説明が難しくなります。

まず何から始めればいいですか?

通常販売価額・仕入価額・食数の3つを毎日記録するだけで月末の計算が格段に楽になります。

今すぐ原価を計算してみましょう

材料単価を入力するだけで、レシピ原価・利益率・販売価格を自動計算します。