2025年、飲食店の倒産は1,002件。過去30年で最多でした。
倒産した店の多くが「集客はできていた」と言います。予約は入る。お客さんも来る。でもお金が残らない。
その原因の一つが、予約サイトの手数料を原価に入れていないことです。
先に結論
- 予約サイトの費用は、1人あたりに割って原価に入れると判断が安定する
- 見る数字は3つ。予約1人あたりコスト、予約経由1人粗利、月間予約粗利
- 値上げの前に、予約枠の時間帯配分とクーポン条件を見直すのが先
予約経由のコストを見落としやすい理由
予約サイトの費用は月額で払うことが多いので、「固定費」として処理しがちです。でも実態は、予約が入るたびにコストが発生する変動費に近い。
固定費にまとめてしまうと、メニューの採算計算から外れてしまいます。だから「予約は増えてるのに利益が薄い」に気づけないわけです。
用語を整理
- 予約経由売上: 予約サイト経由で来店したお客さんの売上
- 予約1人あたりコスト: 予約関連費用を来店人数で割った金額
- 予約経由1人粗利: 予約のお客さん1人あたりに残るお金
使う計算式は3つ
予約1人あたりコスト = 月間予約関連費用 ÷ 月間予約経由来店人数
予約経由1人粗利 = 客単価 − (食材費 + 決済手数料 + 予約1人あたりコスト)
月間予約粗利 = 予約経由1人粗利 × 月間予約経由来店人数
具体例で計算してみましょう
- 月間予約関連費用: 96,000円
- 月間予約経由来店人数: 420人
- 客単価: 3,800円
- 食材費: 1,140円
- 決済手数料: 114円
予約1人あたりコスト = 96,000 ÷ 420 = 229円
予約経由1人粗利 = 3,800 − (1,140 + 114 + 229) = 2,317円
月間予約粗利 = 2,317 × 420 = 973,140円
この「229円」を見落とすと、月96,000円分の利益を過大に見積もることになります。
値上げの前にできること
1. 予約経由と直接来店を分けて集計する
まずは現状把握。予約経由のお客さんと直接来店のお客さんで粗利がどう違うか見ましょう。
2. 粗利の薄い時間帯の予約枠を減らす
ランチ帯のように客単価が低い時間帯は、予約手数料の影響が大きくなります。枠を減らすか、最低注文金額を設定することで改善できる場合があります。
3. クーポン条件を見直す
「全品10%OFF」のようなクーポンは粗利を直撃します。客単価に連動させる(○○円以上で使える等)方が利益を守れますね。
やりがちな失敗
予約数だけ見て粗利を見ない。「今月は予約が500件入った」で満足してしまうパターン。大事なのは件数ではなく、1人あたりの粗利です。
どの時間帯でも同じ条件で枠を開ける。客単価が高いディナーと低いランチで同じクーポン条件にする必要はありません。
今日やること
- 月間予約関連費用を集計する
- 予約経由の来店人数を出す
- 予約1人あたりコストを計算する
- 予約経由1人粗利を出す
- 2週間後の見直し日をカレンダーに入れる
まとめ
予約サイトは「使うか、やめるか」の二択ではありません。費用を原価に入れて、利益が出る使い方ができているかがポイントです。
まずは3つの式で1回計算してみてください。値上げの前に打てる手が見えてきます。
KitchenCostでメニューごとの粗利を管理しておけば、予約手数料を含めた1人あたり利益もすぐに把握できます。