「発注が遅れて品切れした」 「逆に多く取りすぎて捨てた」
この2つが同時に起きる店は、 発注点が決まっていないことが多いです。
先に結論
- 発注点は、感覚ではなく
数字で決めると安定します。 - 計算は
1日の使用量 × 納品日数 + 安全在庫だけで十分です。 - 売れ筋5品だけ先に設定すると、現場に負担なく始められます。
2026年に発注点の見直しが必要な理由
- 帝国データバンク: 2025年の飲食店倒産は 900件(過去最多)
- 帝国データバンク: 2026年2月の飲食料品値上げは 674品目、平均値上げ率 16%
- 厚生労働省: 最低賃金の答申ベース全国加重平均は 1,121円
食材の値上げと人件費上昇が重なる時期は、 発注のズレがすぐ利益に響きます。
現場の悩みはコミュニティでも同じ
- 「在庫管理表を元に発注するの?」(q12176648172)
- 「棚卸・在庫管理・原価計算を一緒に回したい」(q11138730431)
- 「原価計算表や発注管理のやり方が分からない」(q1385620608)
- 「在庫と原価率の見方を間違えやすい」(q13156452213)
要は、 「どの在庫量で発注ボタンを押すか」が 曖昧なまま運用されている、ということです。
まず言葉をかんたんに
発注点(再発注点): 在庫がこの量になったら発注する基準安全在庫: 予想より売れても困らないように持つ予備納品までの日数: 発注してから届くまでの日数粗利(あらり): 1品売ったときに店に残るお金
計算式はこれだけ
発注点 = 1日の平均使用量 × 納品までの日数 + 安全在庫
安全在庫は難しく考えなくてOKです。
最初は 繁忙日の1日使用量 を入れると回しやすいです。
かんたん実例
前提(鶏もも肉)
- 1日の平均使用量: 5kg
- 納品まで: 2日
- 安全在庫: 4kg
発注点 = 5kg × 2日 + 4kg = 14kg
つまり、在庫が14kgになったら発注します。
発注点をずらすと何が起きるか
発注点が低すぎる(8kg)
- 月4回の品切れ
- 1回20食を売り逃し
- 1食あたり粗利250円なら
- 欠品ロス: 20,000円/月
発注点が高すぎる(20kg)
- 月15kgの余剰在庫が廃棄
- 食材単価600円/kgなら
- 廃棄ロス: 9,000円/月
発注点14kg(基準)
- 品切れと廃棄の両方が小さくなりやすい
- 数字で運用がぶれにくい
失敗しにくい運用手順
1) 売れ筋5品だけ決める
全品一気にやると、ほぼ続きません。
2) 2週間だけ試す
発注点を固定して、毎日のズレを見るだけで十分です。
3) 記録は3項目に絞る
- 使用量
- 在庫量
- 欠品・廃棄の有無
この3つだけでも、翌月の発注精度は上がります。
今週やること
- 売れ筋食材5品の1日使用量を出す
- 仕入先ごとの納品日数を確認する
- 各食材の安全在庫を「繁忙日1日分」で仮置きする
- 発注点を計算してシートに書く
- 2週間、欠品回数と廃棄量を記録する
まとめ
発注点は、在庫管理の中でいちばん効果が出やすい数字です。 決めておくだけで、品切れと廃棄を同時に減らせます。
まずは売れ筋5品だけ。 ここから始めるのが最短です。