「人手が足りないからQRオーダーを入れた。ホールのオペレーションは楽になった。でも……利益は思ったほど増えていない。」
こういう声、最近ほんとうに多いです。
原因はシンプルで、QRオーダーの月額費や手数料を原価に入れていないケースがほとんどです。
先に結論
- QRオーダーの月額費と手数料を原価に入れないと、利益を過大に見積もってしまう
- まずは売れ筋3品だけ、QR費用込みの1食原価を計算する
- 注文を途中でやめるお客さん(離脱)が多いと、導入効果そのものが薄れる
なぜこの計算が必要か
セルフオーダーの経験率は2021年の26.0%から2024年に57.1%まで上がりました(ホットペッパーグルメ外食総研)。導入する店は増えています。
でも、導入コストを原価に組み込んでいる店は少ない。そこが利益の「思ったより残らない」の正体です。
用語を先に整理
- 月額費: 毎月固定でかかるシステム利用料
- 1件手数料: 注文1回ごとにかかる費用
- 注文離脱: お客さんがQR注文の途中でやめてしまうこと
使う計算式は3つ
1食あたりQRコスト = (月額費 + 1件手数料 × 月QR注文数) ÷ 月販売食数
QR費用込み1食原価 = 食材費 + 包材費 + 決済手数料 + 1食あたりQRコスト
QR費用込み1食粗利 = 売価 - QR費用込み1食原価
具体例で計算してみましょう
- 月額費: 12,000円
- 1件手数料: 25円
- 月QR注文数: 900件
- 月販売食数: 1,800食
- 看板メニュー売価: 980円
- 食材費: 320円、包材費: 30円、決済手数料: 34円
1食あたりQRコスト = (12,000 + 25×900) ÷ 1,800
= 34,500 ÷ 1,800
= 約19円
QR費用込み1食原価 = 320 + 30 + 34 + 19 = 403円
QR費用込み1食粗利 = 980 - 403 = 577円
「たった19円」と思うかもしれません。でもこの19円を入れるか入れないかで、月の利益計算は34,200円ずれます。
やりがちな失敗
「人件費が浮いたから得」で止まる。ホール人件費の削減額だけ見て、QRの固定費を引き忘れている店が多いですね。
注文に会員登録を必須にする。会員登録画面が出た瞬間にやめるお客さんは、想像以上に多いです。Yahoo!知恵袋でも「QR注文で登録画面が出て断念した」という投稿がありました。
スマホが苦手なお客さん向けの代替手段がない。全員がスマホ操作に慣れているわけではありません。紙のメニューや口頭注文の逃げ道は残しておきましょう。
失敗しにくい導入ステップ
- 売上上位3品だけ、QR費用込み原価を計算する
- 注文手順を「2ステップ以内」に短くする
- スマホが苦手な方向けに紙注文の選択肢を残す
- 2週間ごとに、粗利と離脱率をセットで確認する
今日やること
- 月額費と1件手数料を契約書から確認する
- 月販売食数を集計する
- 売上上位3品のQR費用込み原価を計算する
- 自分のスマホで注文手順を1回通して体験する
- 2週間後の見直し日をカレンダーに入れる
まとめ
QRオーダーは、導入しただけでは利益改善にはなりません。「費用を原価に入れる」と「注文離脱を減らす」をセットで回して、初めて効果が出ます。
まずは売れ筋3品だけ。今日のうちに計算してみてください。
KitchenCostなら、QR手数料や包材費も含めた1食原価をスマホでかんたんに管理できます。