レジに3人並んでいる。店の外では1組が待っている。 でもホール担当は料理を運ぶのに手一杯で、会計に回れない。
「先払いにすれば解決するかな」——そう思っても、客単価が落ちるのが怖い。 この判断、感覚ではなく数字で比較すると答えが出ます。
先に結論
- 先払いと後払いは「1時間あたりの粗利」で比べると判断しやすい
- 先払いは会計負担が減る一方、追加注文が減るリスクがある
- 後払いは客単価を取りやすい一方、会計待ちとミスが増えやすい
なぜ今オペレーション改善が重要か
最低賃金は全国加重平均1,121円。値上げ要因のうち人件費由来は66.2%(帝国データバンク)。 飲食店の価格転嫁率は**32.3%**で全業種平均39.4%を下回っています。
値上げでコストを吸収しにくい以上、「会計にかかる時間とミス」を減らす改善が利益に直結します。
用語をかんたんに
- 先払い: 注文時や受け取り前に会計する方法
- 後払い: 食後にまとめて会計する方法
- 機会損失: 待ち時間のせいで逃した来店や追加注文
5分で比較する
1分あたり人件費 = 時給 ÷ 60
会計人件費(1時間) = 1分あたり人件費 × 1件あたり会計分数 × 会計件数
1時間あたり粗利 = (客単価 × 粗利率 × 客数) - 会計人件費
例(同じ1時間で比較)
前提: 時給1,121円(1分18.7円)、粗利率60%
先払い: 客数18人 / 客単価1,050円 / 会計1.2分×18件
会計人件費 = 18.7 × 1.2 × 18 = 404円
粗利 = (1,050 × 0.60 × 18) - 404 = 10,936円
後払い: 客数16人 / 客単価1,180円 / 会計2.0分×16件
会計人件費 = 18.7 × 2.0 × 16 = 598円
粗利 = (1,180 × 0.60 × 16) - 598 = 10,730円
この例では先払いが月額で約6,000円有利。 ただし客単価が大きく落ちる業態なら逆転するので、必ず自店の数字で試してください。
テストの進め方
- 平日だけ先払いにして2週間テスト
- 比較する数字は3つに固定: 客数・客単価・会計人件費
- クレーム件数も一緒に記録する
「売上だけ」「作業時間だけ」で判断すると見誤ります。
告知は短く
会計待ち時間の短縮のため、
本日より先払い方式でご案内します。
ご協力をお願いいたします。
今週やること
- 先払い・後払いそれぞれの会計時間を計測する
- 1時間あたり粗利を比較計算する
- 平日だけ2週間の先払いテストを実施する
- 客単価とクレーム件数を毎日記録する
- 14日後に数字で継続/修正を判定する
まとめ
先払い・後払いの正解は業態によって違います。
だからこそ「感覚で決める」のが一番危ない。 5分で比較計算して、2週間テストして、数字で決める。この順番が最も安全です。