ランチ営業が終わって、ようやく座れた15時。レジの数字を見ると、売上は悪くない。なのに「今月も残らないかもしれない」という不安がよぎる。
この感覚、仕込み時間を原価に入れていないことが原因かもしれません。
先に結論
- 食材原価だけ見ていると、手間の重い商品ほど「見かけ上は黒字」になってしまう
- 仕込み時間を1品ごとの原価に割り戻せば、どの商品が店を疲弊させているかが見える
- 売れ筋で仕込みが長い商品から計算すると、利益改善の効果が早い
なぜいま仕込み時間を見るべきか
2025年度の最低賃金は全国加重平均1,121円。前年から66円の引き上げです(厚生労働省)。飲食店の倒産は2025年に1,002件と過去最多を記録しました(帝国データバンク)。
人件費が上がり続ける局面で、仕込み時間を原価に入れないのは「見えない赤字」を放置しているのと同じです。
1品あたり仕込み人件費の計算式
仕込み人件費(合計) = 時給 × 仕込み時間(分) ÷ 60
1品あたり仕込み人件費 = 仕込み人件費(合計) ÷ 仕込みで作れる数量
具体例で見てみましょう
- 時給 1,200円
- 仕込み 90分
- 仕込みで30食分
仕込み人件費(合計) = 1,200 × 90 ÷ 60 = 1,800円
1品あたり仕込み人件費 = 1,800 ÷ 30 = 60円
「たった60円」と思うかもしれません。でも月1,000食出る商品なら、月60,000円の差になります。年間で72万円。これは無視できない数字でしょう。
やりがちな失敗3つ
仕込みを「まとめて固定費扱い」にする
「人件費は月○○万」とひとくくりにすると、どの商品が利益を食っているか見えなくなります。商品ごとに割り戻すのがポイントです。
時給を最低賃金で固定する
実際の人件費には社会保険料や手当が含まれます。時給1,121円で計算しても、実コストが1,400円なら計算がズレますね。
1回計算して終わりにする
仕入れ値も時給も変動します。最低でも月1回は見直しましょう。
今週やること
- 売れ筋5商品の仕込み時間を実測する(ストップウォッチでOK)
- 時給を実コスト(社会保険込み)で設定する
- 1品あたり仕込み人件費を計算する
- 原価が高い商品は、価格か量目を小幅調整する
- 2週間後に粗利を再確認する
まとめ
仕込み時間を原価に入れるだけで、「頑張っているのに残らない」の原因が見えてきます。
まずは売れ筋5品だけで十分。全商品を一気にやろうとすると続きません。5品の計算が終わったとき、利益の見え方がかなり変わっているはずです。
KitchenCostなら、仕込み時間を含めた1品原価をスマホでかんたんに計算できます。