「毎日発注は手間が重い。でも週2回だと廃棄が増える気がする」
小さな飲食店では、この悩みが本当に多いです。 ここを感覚で決めると、利益がじわじわ削られます。
先に結論
- 発注頻度は、
食材ごとに分けて決めるのが基本です。 - 比べるのは単価だけではなく、
廃棄と作業時間まで入れます。 - いきなり全品を変えず、売れ筋5品で2週間テストすると失敗しにくいです。
2026年にこの判断が重くなっている理由
- 帝国データバンク: 2025年の飲食店倒産は 900件(過去最多)
- 帝国データバンク: 2026年2月の飲食料品値上げは 674品目、平均値上げ率 16%
- 厚生労働省: 令和7年度の最低賃金答申ベース全国加重平均は 1,121円
食材コストと人件費が同時に上がる局面では、 発注の回数ミスがそのまま利益に直結します。
コミュニティでも同じ質問が続いている
Yahoo!知恵袋でも、次の相談が繰り返されています。
- 「在庫管理表をもとに発注するべき?」(q12176648172)
- 「棚卸・在庫管理・原価計算を一緒に回したい」(q11138730431)
- 「原価計算表をどう作るのが実務的?」(q1385620608)
- 「在庫増で原価率が下がると思っていたが合ってる?」(q13156452213)
要するに、 「何を基準に発注頻度を決めればいいか分からない」 という痛みが強いです。
むずかしい言葉を先にやさしく
発注頻度: 仕入れを入れる回数(毎日、週2回など)廃棄ロス: 使い切れず捨てた食材の金額欠品: 売りたいのに在庫がなく売れない状態発注作業コスト: 発注に使った時間をお金に直したもの
計算はこの3つで十分です
週間発注コスト = 廃棄ロス + 欠品ロス + 発注作業コスト
廃棄ロス = 週間仕入額 × 廃棄率
発注作業コスト = 発注時間(時間) × 時給
欠品ロス が取りにくい店は、
まず廃棄ロスと作業コストだけでも比較してください。
例1: 傷みやすい食材(鶏もも肉)
前提
- 週間使用量: 70kg
- 仕入単価: 600円/kg
- 週間仕入額: 42,000円
- 時給: 1,121円
A) 毎日発注
- 廃棄率: 2% → 840円
- 発注時間: 10分 × 7回 = 70分(1.17時間)→ 約1,310円
- 合計: 約2,150円
B) 週2回発注
- 廃棄率: 6% → 2,520円
- 発注時間: 20分 × 2回 = 40分(0.67時間)→ 約751円
- 合計: 約3,271円
この条件だと、毎日発注の方が 週あたり約1,100円コストが低くなります。
例2: 日持ちする食材(米・調味料)
日持ちする食材は廃棄率が低いので、 発注回数を減らした方が得になることが多いです。
つまり、
生鮮は細かく発注、日持ちはまとめ発注
に分けるのが現実的です。
判断をぶらさない実務ルール
1) 食材を2グループに分ける
- 生鮮(肉・魚・葉物): 毎日 or 隔日
- 日持ち(米・油・調味料・缶): 週2回
2) 売れ筋5品だけ2週間テスト
最初から全品でやると、ほぼ続きません。
3) 毎日3行だけ記録
- 発注量
- 廃棄量
- 欠品回数
この3行があると、 来月の発注頻度が数字で決められます。
今週やること
- 売れ筋食材を仕入金額順に5つ出す
- 5つを「生鮮」と「日持ち」に分ける
- 生鮮は毎日 or 隔日、日持ちは週2回で2週間テスト
- 廃棄額・欠品回数・発注時間を記録する
- 2週間後、週間発注コストで方式を確定する
まとめ
発注頻度は「毎日が正義」「まとめ発注が正義」ではありません。 食材の性質で分けて、数字で比べるのが正解です。
まずは5品だけ。 ここから始めると、無理なく原価が締まります。