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「事業再構築補助金」の後継、知ってる?──飲食店が最大2,500万円もらえる新制度の使い方

事業再構築補助金の後継『新事業進出補助金』が2025年4月スタート。飲食店でも2店舗目の出店やテイクアウト専門店の開業、異業態への転換に最大2,500万円(従業員20人以下)の補助が出る。ただし下限750万円・口頭審査ありのハードルも。第3回公募は2026年3月26日締切。使える店・使えない店の判断基準を解説。

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目次

「事業再構築補助金、もう使えないの?」

コロナ禍で多くの飲食店が活用した事業再構築補助金。テイクアウト事業の立ち上げや新業態への転換で、最大数千万円の補助を受けた店も少なくない。

でも「事業再構築補助金って、もう終わったんでしょ?」と思っている人が多い。

半分正解で、半分間違い。

事業再構築補助金は終了したが、2025年4月に後継制度がスタートしている。名前は「新事業進出補助金」(正式名称:中小企業新事業進出促進補助金)。

従業員20人以下の飲食店なら、最大2,500万円の補助が受けられる。

「そんなのあるの? 知らなかった」

──そういう人のために、この記事を書いた。


新事業進出補助金──3分でわかる制度の仕組み

補助額と補助率

従業員数補助上限賃上げ特例
20人以下2,500万円3,000万円
21〜50人4,000万円5,000万円
51〜100人5,500万円7,000万円
101人以上7,000万円9,000万円
  • 補助率:1/2(投資額の半分が補助される)
  • 補助下限:750万円(つまり最低1,500万円の投資が必要)

個人経営の飲食店なら、従業員20人以下の枠が該当する。最大2,500万円の補助を受けるには、5,000万円規模の投資が必要だ。

事業再構築補助金と何が違う?

項目事業再構築補助金(終了)新事業進出補助金(新)
コロナ要件売上減少が必要だったなし
口頭審査なしあり(本人のみ)
補助下限なし(小額でもOK)750万円
支援者の面接同席可能だった不可
対象事業転換・業態転換新市場 × 新製品

一番大きな変化は2つ。

コロナ要件がなくなった。 売上が下がっていなくても、新しい事業に挑戦するなら申請できる。

口頭審査が追加された。 書類だけでは通らない。審査員の前で、自分の言葉で事業計画を説明しなければならない。税理士やコンサルタントの同席は不可だ。


飲食店で使える具体例──4つのパターン

パターン①:2店舗目の出店(新業態)

居酒屋を経営しているオーナーが、ランチ特化のカフェを別の場所に出店する。

  • 既存事業(夜の居酒屋)と新事業(昼のカフェ)でシナジーがある
  • 居酒屋で培った調理ノウハウを活かせる
  • 新しい顧客層(ランチ需要)を開拓できる

投資額の例:内装工事1,200万円+厨房設備300万円+広告費100万円=1,600万円 → 補助額:800万円

パターン②:テイクアウト専門店の開業

ラーメン店が、冷凍ラーメンのテイクアウト・通販事業を始める。

  • 急速冷凍機の導入と専用の製造スペースが必要
  • 既存のスープ・麺の製造技術を活かせる
  • 店舗に来れない遠方の顧客を獲得できる

投資額の例:急速冷凍機500万円+製造設備300万円+EC構築200万円+パッケージ開発100万円+広告費400万円=1,500万円 → 補助額:750万円

パターン③:料理教室・体験事業の併設

レストランが、料理教室やフードツーリズム事業を併設する。

  • 既存の厨房と料理人のスキルを活かせる
  • インバウンド需要(訪日外国人の料理体験)も取り込める
  • ランチ・ディナーの谷間の時間帯を活用できる

投資額の例:教室スペース改装500万円+映像設備200万円+予約・決済システム150万円+多言語対応200万円+広告費450万円=1,500万円 → 補助額:750万円

パターン④:EC通販・サブスク事業

焼肉店が、精肉のサブスクリプション通販事業を開始する。

  • 仕入れルートと肉の目利きという強みを活かせる
  • 月額定期便で安定した売上を確保できる
  • 来店動機にもつながる

投資額の例:ECサイト構築300万円+冷凍物流設備500万円+包装・ブランディング200万円+在庫管理システム100万円+広告費400万円=1,500万円 → 補助額:750万円


対象にならないケース

こういう投資は対象外だ。

NG例理由
既存店舗のリニューアル「新事業」ではなく既存事業の改善
メニューの追加・変更既存事業の延長線上
設備の入れ替え(老朽化)「新製品」への投資ではない
従業員0名の個人店従業員1名以上が申請条件
投資額1,500万円未満補助下限750万円(投資の1/2)に届かない

口頭審査──「自分の言葉」で語れるか

新事業進出補助金の最大のハードルは、書類審査の後にある口頭審査だ。

第3回公募からは特に厳格化されている。

ルール内容
出席者申請者本人のみ(税理士・コンサルの同席不可)
形式オンラインまたは対面で審査員と面談
評価される点事業計画の理解度、実現可能性の説明力、数字の根拠
減点される行為「コンサルに任せていて詳しくわからない」等の発言

つまり「書類だけコンサルに作ってもらって、中身はよくわからない」では通らない。

自分のビジネスを自分の言葉で語れること──これが最も重要な審査ポイントだ。


申請スケジュール

公募期間採択発表
第3回2025年12月23日〜2026年3月26日2026年7月頃
第4回2026年度内に実施予定未定

第3回の締切は2026年3月26日18:00。補助事業の実施期間は交付決定から14ヶ月以内だ。


「うちの店、使えるの?」──5つのチェックリスト

以下のすべてに「はい」と答えられるなら、申請を検討する価値がある。

  • 従業員が1名以上いる(パート・アルバイトも含む)
  • 1,500万円以上の投資を計画している(補助下限750万円の要件)
  • 既存事業とは異なる「新しい事業」に挑戦する(新市場×新製品)
  • 事業計画を自分の言葉で審査員に説明できる(口頭審査対策)
  • 賃上げの意思がある(交付申請時に賃上げ目標の表明が必須)

4つ以上「はい」なら、まず商工会議所に相談してみよう。

3つ以下なら、この補助金よりも小規模事業者持続化補助金(上限50万円、下限なし)や省力化投資補助金(上限200万円)のほうが現実的だ。


原価計算との関係

新事業を始めるとき、最も重要なのは原価設計だ。

テイクアウト事業なら、容器代・配送費・ロス率を含めた原価計算が必要になる。EC通販なら、冷凍・包装・物流の追加コストが発生する。料理教室なら、食材の仕入れと受講料のバランスを事前に設計しなければならない。

補助金で初期投資を抑えられても、毎月の原価が合わなければ事業は続かない。

新事業の原価シミュレーションは、補助金の申請書を書く前にやっておくべきだ。


今週やること

  1. 「新しい事業をやりたい」と思っているなら、投資額の見積もりを出す
  2. 1,500万円以上の投資になりそうなら、商工会議所に相談に行く
  3. 第3回の締切(2026年3月26日)に間に合わない場合は、第4回に向けて事業計画を練り始める

「事業再構築は終わった」──たしかにその通りだ。

でも、後継制度は使い方次第でもっと強力になっている。コロナ要件がなくなったぶん、「攻めの投資」をしたい飲食店にはチャンスだ。

まずは、自分の店が次に何をやりたいのか。その答えが見えたら、補助金はその背中を押してくれる。


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よくある質問

新事業進出補助金と事業再構築補助金は何が違いますか?

新事業進出補助金は事業再構築補助金の後継制度で、2025年4月にスタートしました。大きな違いは3つあります。①コロナ要件がなくなった(事業再構築は売上減少が要件だった)、②口頭審査(面接)が追加された(申請者本人が審査員の前で事業計画を説明する必要がある)、③補助下限が750万円に設定された(小規模な投資は対象外)。つまり、ある程度まとまった投資をする覚悟のある事業者向けの制度です。

個人経営の飲食店でも申請できますか?

個人事業主でも申請可能ですが、2つの条件があります。①従業員が1名以上いること(店主1人だけの店は対象外)、②投資額が1,500万円以上であること(補助下限750万円=投資額の1/2なので、最低1,500万円の投資が必要)。1,500万円というのは、たとえば2店舗目の出店費用(内装工事+厨房設備+広告費)や、テイクアウト専門店の新規開業費用などが該当します。既存店舗の改装だけでは要件を満たしにくいでしょう。

飲食店ではどんな事業が対象になりますか?

ポイントは『新市場×新製品(新サービス)』であることです。飲食店の具体例としては、①ラーメン店がテイクアウト専門の冷凍ラーメン通販事業を開始、②居酒屋が昼はコワーキングカフェとして営業する新業態を展開、③レストランが料理教室事業を併設、④焼肉店がEC通販で精肉のサブスクリプション事業を開始、などが挙げられます。既存メニューの改良や店舗のリニューアルだけでは『新事業』とは認められません。

第3回公募のスケジュールはいつですか?

第3回公募の締切は2026年3月26日18:00です。採択発表は2026年7月頃の予定で、補助事業の実施期間は交付決定から14ヶ月以内です。第3回に間に合わない場合、第4回公募(2026年度末まで)が予定されています。口頭審査は採択審査の一環として行われ、申請者本人のみが対応し、支援者(税理士やコンサルタント)の同席はできません。自分の言葉で事業計画を説明できるよう準備が必要です。

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