「同じメニューなのに、昼と夜で価格を変えるのは変ですか?」 この疑問は、来店客だけでなく、店側からもよく出ます。
Yahoo!知恵袋でも 「ランチは安く、ディナーは高いのはなぜ?」という質問が出ています。 つまり、お客さんも理由を知りたいテーマです。
先に結論
- ランチとディナーの価格差は、コスト差を埋めるための設計です
- 原価率だけでなく、時間帯別の人件費と回転率を一緒に見ます
- 価格差は「なんとなく」ではなく、1食粗利をそろえる発想で決めます
2026年に価格差が必要な背景
- 厚生労働省: 2025年度の最低賃金は全国加重平均1,121円(前年比+66円)
- 帝国データバンク: 2025年の飲食店倒産は900件(過去最多)
人件費と固定費の圧力が強い中で、 時間帯ごとの採算を分けて見ないと、忙しいのに残らない状態になりやすいです。
価格差はこの式で考える
時間帯別1食粗利 = 売価 - (食材費 + 包材費 + 決済手数料 + 時間帯人件費)
ここでいう 時間帯人件費 は、
ランチやディナーの時間帯にかかった人件費を、1食ごとに割り戻した数字です。
時間帯人件費(1食) = その時間帯の人件費 ÷ その時間帯の提供食数
ミニ例(同じ料理)
- 食材費: 320円
- 包材費・手数料: 40円
ランチ
- 売価: 980円
- 時間帯人件費(1食): 170円
ランチ粗利 = 980 - (320 + 40 + 170) = 450円
ディナー
- 売価: 1,180円
- 時間帯人件費(1食): 300円
ディナー粗利 = 1,180 - (320 + 40 + 300) = 520円
夜の方が価格が高いのは、 「取りすぎ」ではなく、コスト差を埋める意味があります。
失敗しやすいパターン
1) ランチ価格を夜まで引きずる
客数は出ても、夜の利益が薄くなります。
2) 全品同じ差額で上げる
高原価メニューだけ赤字が残ることがあります。
3) 価格差の説明がない
店頭やSNSで一言理由を出すだけで、納得感は上がります。
今週やること
- ランチとディナーを分けて売上・食数を集計
- 時間帯別1食粗利を上位10商品で計算
- 粗利が薄い商品から価格差を再設定
- 店頭・SNSで価格差の理由を短く案内
- 2週間後に販売数と粗利を再確認
まとめ
ランチとディナーの価格差は、 お客さんをだますためではなく、店を続けるための設計です。
時間帯別の1食粗利を見れば、 いくら差をつけるべきかが感覚ではなく数字で決まります。