「ランチは回ってるのに、月末に残高が増えない」 この相談、かなり多いです。
実際、Yahoo!知恵袋でも 「ランチは儲からないと言われる理由は?」という相談が継続して見られます(617閲覧)。 原価率の目安を聞く質問も2,700件超の閲覧があり、 多くの小規模店が同じところで悩んでいます。
先に結論
- ランチは「原価率だけ」だと判断を誤りやすいです
- 食材費に加えて、追加人件費まで1食に配ると赤字商品が見えます
- 一律値上げより、赤字上位3商品の見直しが先です
2026年にランチが苦しい背景
- 帝国データバンク: 2025年の飲食店倒産は900件
- 同資料: 飲食店の価格転嫁率は32.3%(全業種平均39.4%より低い)
- 厚生労働省: 2025年度の最低賃金は全国加重平均1,121円(前年比+66円)
つまり、コストは上がるのに、価格に乗せにくい状況です。 ここでいう「価格転嫁率」は、上がったコストを販売価格にどれだけ反映できたかの割合です。 ランチで薄利多売を続けると、忙しいほど残らない形になりやすいです。
まずこの式にそろえる
ランチ1食の粗利額 = 売価 - (食材費 + 包材費 + 決済手数料 + 追加人件費)
追加人件費 は難しく見えますが、意味はシンプルです。
ランチ時間に追加で入れた人件費を、1食ごとに割り戻した数字です。
追加人件費(1食) = ランチ帯の追加人件費 ÷ ランチ提供食数
3分で見るミニ例
- ランチ売価: 980円
- 食材費: 340円
- 包材費: 30円
- 決済手数料: 29円
- 追加人件費(1食あたり): 190円
粗利額 = 980 - (340 + 30 + 29 + 190) = 391円
391円が「席回転・家賃・水道光熱費」を払う原資です。 ここが薄い商品を増やすと、売上が伸びても利益は残りにくくなります。
よくある失敗3つ
1) 原価率だけ見て安心する
原価率が低くても、提供に時間がかかると人件費で逆転します。
2) セットで値引きしすぎる
ドリンク付きで客数は増えても、1食粗利が落ちることがあります。
3) 全商品を同じ幅で値上げする
常連の反応が強い商品まで一律改定すると、客離れリスクが上がります。
今週やること(小さな店向け)
- 直近7日でランチ上位10商品の1食粗利を計算
- 粗利が薄い上位3商品を抽出
- その3商品だけ、量目・価格・セット構成を見直す
- ランチ帯の追加人件費を1食に割り戻して再計算
- 翌週、販売数と粗利額を再チェック
ポイントは「全部一気に変えない」ことです。 上位3商品だけ先に直すと、客離れリスクを抑えながら改善できます。
まとめ
ランチ改善は、難しい理論より順番です。
1食粗利と追加人件費を同時に見れば、
どの商品が店の利益を削っているかがはっきりします。
まずは今週、上位10商品だけ計算してみてください。 数字が見えると、値上げの怖さより判断の速さが勝ちます。