「うちは原価率28%。悪くないはず」。そう思って安心していたのに、月末の口座残高は先月と変わらない。
この違和感の正体は、原価率の「外」にあります。
先に結論
- 原価率が低くても、固定費・値引き・ロスで利益は消える
- 見る順番は「1品粗利」→「固定費」→「ロス」の3つ
- 売上上位5品だけ、1週間で見直せば十分
原価率が低いのに儲からない4つの理由
1. 固定費の重さを見ていない
原価率は「商品単体」の指標にすぎません。店は毎日、家賃と人件費を払っています。1品が黒字でも、1日の固定費を超えられなければ最終利益はマイナスです。
2. 値引き・クーポンが粗利を削っている
メニューの表示価格で原価率を計算すると、いい数字が出ます。でも実際の売上はクーポン割引後の金額。「10%オフ常時」は、原価率が同じでも手取りを大きく減らします。
3. 廃棄とロスが原価に入っていない
原価表が理論値(レシピ通りの量)だけだと、実際の廃棄分が抜けます。仕込みすぎ、売れ残り、作り直し。これが積もると、見かけの原価率と実態がどんどんズレていきます。
4. 人員配置が売上の波に合っていない
ランチの山にスタッフが足りず回転率が落ちる。アイドルタイムに人が余って人件費だけが発生する。どちらも利益を削ります。
計算例(定食メニュー)
- 表示売価: 1,000円
- 食材原価: 280円(原価率28%)
- クーポン値引き: 100円
- 決済・販促手数料: 50円
- 包材: 20円
実売上 = 1,000 − 100 = 900円
変動費合計 = 280 + 50 + 20 = 350円
1品あたり残るお金 = 900 − 350 = 550円
ここまでは悪くない。でも1日40食販売で見ると:
1日の粗利合計 = 550 × 40 = 22,000円
1日の固定費 = 23,000円
最終利益 = 22,000 − 23,000 = −1,000円
原価率28%でも、1日1,000円の赤字。これが「原価率が低いのに儲からない」の正体です。
1週間で直す手順
- 売上上位5品の実売上ベース(値引き後)で粗利を出す
- 各メニューに「最低でも残したい金額」を設定する
- 常時クーポンをやめて、曜日・時間帯限定にする
- 廃棄を3分類で記録する(売れ残り / 仕込みすぎ / ミス)
- 客数の山に合わせて、30分単位で人員を調整する
全部同時にやる必要はありません。上から順に1つずつ。
今日やること
- 売上上位5品の値引き後売上を確認する
- 5品の1品粗利を再計算する
- 1日の固定費を金額で出す
- 常時クーポンを1つだけ止めて7日間比較する
- 廃棄の3分類記録を始める
まとめ
原価率は大事です。でも店の利益は原価率だけでは決まりません。
固定費、値引き、ロスまで入れて「実際に残るお金」を見る。この視点に変えると、何を先に直すべきかがはっきり見えてきます。
KitchenCostで各メニューの原価を管理しておけば、値引き後の実粗利もすぐに確認できます。