「閉店前に値引きするべきか、廃棄するべきか」 これは毎日発生する悩みです。
Yahoo!知恵袋でも、 「値引きは何時から?」「なぜ値引きするのか」という質問が繰り返し出ています。 現場では、値引きと廃棄の線引きが難しいということです。
先に結論
- 値引きか廃棄かは、感覚ではなく損失額で決めるべきです
- 商品ごとに「値引き下限ライン」を持つと、判断が速くなります
- 一律割引より、売れ残りやすい商品だけ段階値引きが有効です
2026年にこの判断が重い理由
- 環境省: 令和5年度の食品ロスは464万トン(事業系231万トン)
- 帝国データバンク: 価格転嫁率は39.4%(2025年7月、調査開始以来最低)
値上げで吸収しにくい時期ほど、 日々の売れ残り管理がそのまま利益差になります。
ここでいう 価格転嫁率 は、
上がったコストを販売価格にどれだけ反映できたか、という割合です。
迷わない判断式
値引き後粗利 = 値引き後売価 - 変動費
廃棄時損失 = 変動費 + 廃棄処理コスト
変動費 は、食材費・包材費など、売れた数で増減する費用です。
判断ルール
値引き後粗利 > -廃棄時損失なら値引き優先値引き後粗利 <= -廃棄時損失なら仕込み量見直しを優先
かんたん例
- 通常売価: 800円
- 変動費: 360円
- 廃棄処理コスト: 20円
30%値引き(560円)なら
値引き後粗利 = 560 - 360 = 200円
廃棄時損失 = 360 + 20 = 380円
この場合、廃棄より値引きの方が損失は小さいです。
現場でやる運用
1) 商品を3区分にする
- 値引き向き
- 売り切り優先
- 値引き禁止(ブランド維持)
2) 時間で割引率を固定する
例: 19時10%、20時20%、21時30% など。 迷いが減ります。
3) 翌日の仕込み量に反映する
値引きが常態化した商品は、まず仕込み量を下げます。
今週やること
- 売れ残り上位5商品の変動費を確認
- 商品別の値引き下限ラインを設定
- 時間帯ごとの割引ルールを決定
- 1週間、値引き後粗利を記録
- 翌週、仕込み量を再設定
まとめ
値引きか廃棄かは、 正解が1つではありません。
だからこそ、毎日同じ式で判断するのが強いです。 それだけでロスと利益のブレが小さくなります。