「うちの人件費率、高すぎますか?」
この質問に、平均値だけで答えるのは危険です。
同じ飲食店でも、客単価、提供時間、ピークの偏りで適正値は変わります。
さらに2025年度の全国加重平均最低賃金は1,121円まで上がりました。
前年から66円上昇です。
先に結論
- 平均値は参考資料、運用の正解は自店ライン
- 人件費率は月次より週次で見る方が事故を防げる
- FL比率(食材費+人件費)で同時に判断すると打ち手が早い
まず式をそろえる
人件費率(%) = 人件費 ÷ 売上高 × 100
FL比率(%) = (食材費 + 人件費) ÷ 売上高 × 100
FL比率は難しい言葉に見えますが、意味は単純です。
「材料と人のコストが売上に対して何%か」を見る指標です。
平均値だけで失敗するパターン
1) 客単価が低い店で人時だけ増やす
回転が速い業態ほど、ピーク外の人時が重くなります。
2) 仕込み時間を売上で回収できていない
開店前の準備が長い店は、売上が同じでも人件費率が上がります。
3) 週末だけ見て平日を見落とす
週末は良くても、平日赤字で月間利益が消えることがあります。
自店ラインを作る3ステップ
- 直近8週間の売上・人件費を週単位で並べる
- 売上帯ごとに人件費率を分ける(例: 低・中・高売上週)
- 各売上帯で「超えたら要修正」の線を1本決める
この1本があると、現場判断が速くなります。
30分でできる週次ルーティン
- 先週の人件費率を計算
- FL比率も同時に確認
- 売上帯ごとの基準線を超えた原因を1つだけ特定
- 次週シフトで1つだけ修正(人数・時間帯・仕込み配分)
完璧な最適化より、毎週1つ修正の方が続きます。
2026年に必要な見方
価格転嫁率53.5%というデータがあっても、飲食店は業界として32.3%しか転嫁できていません。
つまり、値上げだけでは吸収しきれない可能性が高いです。
だからこそ、人件費率の運用精度が利益に直結します。
まとめ
「平均に合わせる」より、「自店の基準線を守る」方が強いです。
まずは8週間分を出して、売上帯ごとのラインを1本決めてください。
その線が、2026年の人件費上昇局面で店を守る土台になります。