最低賃金の全国加重平均は1,121円。前年から66円の引き上げです。 飲食店の正社員不足率は65.3%。
「人を雇いたいけど、いくらまで出せるか分からない」—— この悩み、いまの小さな飲食店ではほぼ共通の問題になっています。
先に結論
- 人件費率だけでなく1時間あたり必要売上を出すと、判断がずっと早くなる
- 時給1,121円で目標人件費率30%なら、必要売上は約3,737円/時
- 週1回の見直しだけでも「忙しいのに残らない」を減らせる
2026年の前提数字
- 最低賃金: 全国加重平均1,121円(厚生労働省)
- 飲食店の正社員不足: 65.3%(帝国データバンク)
- 労務費の価格転嫁率: 50.0%(中小企業庁)
人件費は上がる一方で、その分を価格にそのまま乗せるのは難しい。 だからこそ、「いくら売れば赤字にならないか」を先に知っておく必要があります。
まずこの2つだけ計算する
1) 人件費率
人件費率 = 人件費 ÷ 売上 × 100
2) 1時間あたり必要売上
必要売上/時 = 時給 ÷ 目標人件費率
例えば時給1,121円、目標人件費率30%なら:
1,121 ÷ 0.30 = 3,736.6... → 約3,737円/時
1時間で3,737円以上を売れない時間帯は、シフトかメニュー構成の見直し候補です。 14時〜17時あたりが怪しい店、多いのではないでしょうか。
もう1歩だけ進める(FL比率)
FL比率は、食材費と人件費を足した割合のこと。 「忙しいのに利益が薄い」を見つけやすい指標です。
FL比率 = (食材費 + 人件費) ÷ 売上 × 100
まずは60%以内を目安にしてください。 超える週が続くなら、次の3つから優先して手を打ちます。
- 低売上時間帯の配置を15〜30分単位で調整する
- 仕込みを前倒し・まとめ化して作業人時を減らす
- 工程が重いメニューの売り方を変える(セット化、曜日限定など)
7日で回すミニ運用
| 曜日 | やること |
|---|---|
| 月 | 先週の人件費率を記録 |
| 火 | 時間帯別売上を確認 |
| 水 | 必要売上/時を下回った時間を特定 |
| 木 | その時間帯のシフトを15〜30分単位で修正 |
| 金 | 高工数メニューの提供数を確認 |
| 土 | FL比率を再計算 |
| 日 | 来週の仮シフトを作る |
「感覚のシフト」から「数字のシフト」に変わると、 人件費のコントロール感が全然違ってきます。
今日やること
- 時給と目標人件費率から必要売上/時を出す
- 先週の時間帯別売上と比べる
- 下回った時間帯を1つだけ修正する
- 週末にFL比率を確認する
関連ガイド
KitchenCostでレシピ原価を出しておくと、FL比率の食材費部分がすぐ出せます。人件費とあわせて週次で見ると判断が早くなりますよ。
参考データ(確認日: 2026-02-17)
- 厚生労働省 最低賃金1,121円(2025-09-05公表): https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63030.html
- 帝国データバンク 人手不足動向(飲食店65.3%、2025-06-11公表): https://www.tdb.co.jp/report/economic/20250611-labor-shortage/
- 中小企業庁 価格転嫁率(労務費50.0%、2025-11-28公表): https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/price_transfer/2025/251128price_transfer.html
- Google Suggest(
飲食店 人件費率 計算): https://suggestqueries.google.com/complete/search?client=chrome&hl=ja&q=%E9%A3%B2%E9%A3%9F%E5%BA%97%20%E4%BA%BA%E4%BB%B6%E8%B2%BB%E7%8E%87%20%E8%A8%88%E7%AE%97