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飲食店の掛け仕入れと現金仕入れ、どっちが得?資金繰りと原価で決める方法【2026】

『現金払いで安くなるけど、月末が怖い』小さな飲食店向け。掛け仕入れ(後払い)と現金仕入れを、実質原価と資金繰りの両面でやさしく判断する方法を解説します。

公開 2026年2月17日
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目次

「現金なら安くなる。でも月末の支払いが怖い。」

この迷い、
個人店や小さな飲食店では本当に多いです。
原価だけ見ると正解に見えても、
資金繰りで詰まることがあるからです。

先に結論

  • 原価資金繰り はセットで判断する
  • 現金仕入れは「一部品目だけ」から始める
  • 最低でも2週間、実測してから比率を決める

なぜ今、見直しが必要か

2025年の飲食店倒産は 900件(過去最多)
価格転嫁率は 32.3% で、全業種平均 39.4% を下回っています。

2026年2月の飲食料品値上げは 674品目
値上げ要因で「人件費」由来は 66.2%
最低賃金の全国加重平均は 1,121円(66円引上げ) です。

「仕入れを少しでも下げたい」
でも「資金ショートは避けたい」。
この両立が、2026年の現場テーマです。

コミュニティでも同じ悩みが続いている

Yahoo!知恵袋でも、相談はかなり多いです。

つまり、
経営判断というより、
「何を基準に決めるか」で止まっているケースが多いです。

まず、言葉をやさしく

  • 掛け仕入れ: 今仕入れて、あとでまとめて払う方法
  • 現金仕入れ: その場、または短い期限で払う方法
  • 支払サイト: 仕入れ日から支払日までの長さ

判断で使う式は1つで十分

実質メリット
= 現金値引き額 - 追加資金コスト - 機会損失
  • 追加資金コスト: お金が足りず借入したときの利息など
  • 機会損失: 現金不足で必要な仕入れができなかった損失

この数字がプラスなら、
現金仕入れを増やす余地があります。

5分試算(小さな店向け)

月間仕入れ80万円、
現金払いで2%値引きされるケース:

  • 現金値引き額: 16,000円
  • ただし、月末に30万円不足し25日だけ資金が必要
  • 年4%で25日分の資金コスト: 約822円
  • 現金不足での欠品ロス見込み: 5,000円
実質メリット = 16,000 - 822 - 5,000
           = 10,178円

この例ならプラスですが、
不足資金が大きい店ではマイナスにもなります。
だから「値引き率だけ」で決めるのは危険です。

現場で失敗しにくい運用

1) 現金化しやすい品目だけ現金仕入れ

回転が速い食材だけ現金払いにする。
ロスが出やすい品目は掛けのままにする。
この混合運用が安定しやすいです。

2) 最悪週の現金残高を先に見る

最悪週の現金残高
= 手元資金 + 入金予定 - 固定費 - 仕入支払 - 返済

ここがマイナスなら、
現金仕入れ比率を下げるのが先です。

3) 2週間だけテストして比率を決める

  • 1週目: 現金20% / 掛け80%
  • 2週目: 現金30% / 掛け70%

この2パターンで、
原価差と資金残高の両方を見ます。

交渉で使える短い言い方

支払サイトを相談するとき

現在、売上の入金が翌月寄りのため、
当面は月末締め翌月末払いでお願いできますか。
取引量は月○kgを継続予定です。

現金払いの値引きを相談するとき

現金当日払いにした場合の単価をご相談したいです。
月○kgを前提に、可能な価格帯を教えてください。

長い説明より、
数量条件 を先に出す方が通りやすいです。

今週やること

  • 仕入れ上位5品目を、現金/掛けに仮分類
  • 最悪週の現金残高を一度だけ計算
  • 現金値引き額と資金コストを同じ表で比較
  • 取引先への相談文を先に作る
  • 2週間テストで比率を決定

まとめ

掛け仕入れか、現金仕入れか。
正解は店ごとに違います。

でも判断軸はシンプルです。
値引きで得する額資金で失う額 を並べる。
これだけで、かなり迷いが減ります。

関連ガイド

参考(確認日: 2026-02-17)

よくある質問

現金仕入れの方が安いなら、全部現金払いにすべきですか?

全部は危険です。値引きは得でも、支払いが先に来て資金が詰まることがあります。まず一部品目で試すのが安全です。

掛け仕入れは損ですか?

一概に損ではありません。単価は少し高くても、手元資金を守れるメリットがあります。

支払サイトって何ですか?

仕入れから支払いまでの猶予日数のことです。日数が短いほど、早くお金が出ていきます。

最初に見る数字は何ですか?

現金値引き額、最悪週の現金残高、追加資金コストの3つです。これだけで判断しやすくなります。

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