電気代とガス代、上がっているのは分かる。 でも「メニュー原価にどう入れればいいか」で止まる。 この相談、2026年の小さな飲食店でかなり増えています。
先に結論
- 光熱費は、まず「1食あたり何円か」に直して見るのが最優先です。
- 難しい配賦ルールは不要です。最初は売上比率ルールだけで十分です。
- 食材原価率だけではなく、光熱費を入れた“実質原価率”まで見ると、値上げ判断が早くなります。
むずかしい言葉を先に
- 配賦(はいふ): みんなで使った費用を、商品ごとに分けること。
- 実質原価率: 食材費に加えて、光熱費なども入れて見た原価率。
いまの数字(2026-02-17確認)
- 中小企業庁の2025年9月調査では、価格転嫁率は 53.5%。
- 内訳では、エネルギーコストの転嫁率は 48.9% にとどまっています。
- 経済産業省の公表では、日本のキャッシュレス決済比率は2024年で 42.8%(141.0兆円)。
ポイントはシンプルです。 上がったコストを、価格へ十分に乗せ切れていない店が多いということです。
現場でよく出る困りごと
- 「食材原価は合っているのに、なぜか利益が薄い」
- 「値上げ理由を聞かれても、数字で説明できない」
- 「光熱費を全部固定費に置いたままなので、メニュー判断が遅れる」
Yahoo知恵袋や個店向けブログでも、 「どこまで原価に入れるべきか」の質問が繰り返し出ています。
まずはこの2式だけ
1食あたり光熱費 = 月間光熱費 ÷ 月間販売食数
実質原価率 = (食材費 + 1食あたり光熱費) ÷ 売価 × 100
これなら、会計ソフトに詳しくなくても計算できます。
5分でできる試算例
前提:
- 月間光熱費: 180,000円
- 月間販売食数: 2,400食
- 看板メニュー売価: 980円
- 食材原価: 340円
1食あたり光熱費 = 180,000 ÷ 2,400 = 75円
実質原価率 = (340 + 75) ÷ 980 × 100 = 42.3%
食材原価率だけなら 34.7% ですが、 光熱費を入れると 42.3% まで上がります。 ここで値段・量・セット構成を見直す判断ができます。
小さな店向けの配賦ルール(最初は1つでOK)
ルールA: 売上比率で分ける(推奨)
- 全メニューの売上比率で光熱費を割る
- いちばん簡単で、継続しやすい
ルールB: 調理時間で分ける
- 仕込み・火入れ時間が長いメニューに多め配賦
- 焼き物・煮込み系に向く
ルールC: 機器使用で分ける
- フライヤー、オーブンなど電力機器の使用で配賦
- 精度は高いが、最初は手間が大きい
迷ったら、まずは ルールA だけで十分です。
今週やること
- 月間光熱費を確認する(電気・ガス・水道)
- 月間販売食数を出す
- 売上上位5品だけ実質原価率を計算する
- 実質原価率が高い2品だけ対策を決める
まとめ
光熱費を原価へ入れる目的は、会計を難しくすることではありません。 「どのメニューが本当に残るか」を早く判断するためです。 まずは1食あたり何円か。 ここから始めれば、値上げ判断の迷いはかなり減ります。
参考リンク(確認日: 2026-02-17)
- https://www.meti.go.jp/press/2025/11/20251128002/20251128002.html
- https://www.meti.go.jp/press/2024/03/20250331005/20250331005.html
- https://suggestqueries.google.com/complete/search?client=chrome&hl=ja&q=%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97%20%E9%A3%B2%E9%A3%9F%E5%BA%97%20%E5%85%89%E7%86%B1%E8%B2%BB
- https://chiebukuro.yahoo.co.jp/search?p=%E9%A3%B2%E9%A3%9F%E5%BA%97%20%E5%85%89%E7%86%B1%E8%B2%BB%20%E5%8E%9F%E4%BE%A1