「原価計算、やったほうがいいのは分かるけど、何から手をつければ……」 この状態のまま忙しい毎日が続いて、気づいたら半年。
よくある話です。でも2025年の食品値上げは20,609品目、飲食店倒産は1,002件で過去最多。 「去年の感覚」で価格を置いておくと、知らないうちに赤字が積み上がる局面です。
大丈夫です。原価計算は難しくありません。 売上上位3品だけ、5ステップでやれば今日から回せます。
先に結論
- 最初は売上上位3品だけでOK
- 使う式は3つ。難しい会計知識は不要
- 週1回10分の見直しで赤字メニューを早く見つけられる
5ステップでやる原価計算
ステップ1: 仕入れ単価をそろえる
kgとg、Lとmlが混ざるとズレます。 まず全部をgまたはmlに統一してください。
ステップ2: 可食単価を出す
可食単価とは、皮や骨を除いた「実際に使える部分」の単価です。
可食量 = 仕入量 × (1 - ロス率)
可食単価 = 仕入金額 ÷ 可食量
例えば鶏もも肉1kgで500円、ロス率10%なら: 可食量 = 1,000g × 0.90 = 900g 可食単価 = 500 ÷ 900 = 約0.56円/g
ステップ3: 1皿原価を出す
1皿原価 = 各食材の(可食単価 × 使用量)の合計
レシピ通りの使用量を入れるだけ。 調味料や油も忘れずに入れてください。ここを抜くと原価率が2〜3pt変わります。
ステップ4: 原価率を出す
原価率 = 1皿原価 ÷ 税抜売価 × 100
必ず税抜売価で計算してください。 税込で計算すると、原価率が実際より低く出てしまいます。
ステップ5: 売価と提供量を調整する
原価率だけでなく「1皿でいくら残るか(粗利)」も見ます。
粗利 = 税抜売価 - 1皿原価
原価率30%でも粗利が200円しかない商品と、原価率35%でも粗利が500円ある商品。 店に貢献しているのは後者です。
1品だけ実例(カレー)
- 税抜売価: 900円
- 1皿原価: 320円
原価率 = 320 ÷ 900 × 100 = 35.6%
粗利 = 900 - 320 = 580円
「原価率35.6%は高い?」——一概には言えません。 粗利580円が十分かどうかは、固定費との兼ね合いで決まります。
週10分ルーティン
- 仕入れ上位10食材の単価だけ更新する
- 売上上位3品の原価率を再計算する
- 先週より悪化した商品だけ対処する
- 値上げより先にロス(廃棄)を確認する
数字が苦手な人はこの順番で
- 定番3品の原価を出す
- 包材・調味料の抜けを埋める
- 税抜売価で再計算する
- 14日後にもう一度見直す
完璧を目指す必要はありません。 まず1品やってみると、「なるほど、こういうことか」と分かります。 そこから2品目、3品目と広げていけばいいんです。
関連ガイド
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参考データ(確認日: 2026-02-17)
- 帝国データバンク 食品値上げ20,609品目(2025-11-28公表): https://www.tdb.co.jp/report/economic/20251128-neage25y11/
- 帝国データバンク 飲食店倒産1,002件(2026-01-13公表): https://www.tdb.co.jp/report/industry/20260113-insyokuten2025/
- Google Suggest(
飲食店 原価計算): https://suggestqueries.google.com/complete/search?client=chrome&hl=ja&q=%E9%A3%B2%E9%A3%9F%E5%BA%97%20%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E8%A8%88%E7%AE%97