「原価率30%を守っているのに、利益が残らない」 この状態、珍しくありません。
Yahoo!知恵袋でも、 「原価率3割は食材だけ?それとも全経費込み?」という質問が続いています。 答えは、一般に『食材だけ』です。 ここを取り違えると、判断を外します。
先に結論
- 原価率30%は、食材費の目安としては使えます
- でも経営判断は、固定費を1品に割り戻した数字で行うべきです
- 売れている商品ほど、実質粗利で再点検した方が失敗を減らせます
2026年に見落としが危ない理由
- 帝国データバンク: 2025年の飲食店倒産は900件(過去最多)
- 同社調査: 2025年2月時点の価格転嫁率は40.6%
コスト増を価格に乗せきれない店が多い中で、 ここでいう「価格転嫁率」は、上がったコストを販売価格にどれだけ反映できたかの割合です。 「食材だけ管理」は限界が出やすいです。
まず2段階で見る
1) 食材ベースの原価率
原価率(食材) = 食材費 ÷ 売価 × 100
2) 固定費を入れた実質コスト
実質コスト(1品) = 食材費 + 包材費 + 固定費の割り戻し + 人件費の割り戻し
ここでの「割り戻し」は、 月の合計費用を1品ごとに分けて見る、という意味です。
固定費の割り戻し(1品) = 月間固定費 ÷ 月間提供数
ミニ例
- 売価: 1,000円
- 食材費: 300円(原価率30%)
- 包材費: 30円
- 固定費の割り戻し: 220円
- 人件費の割り戻し: 280円
実質粗利 = 1,000 - (300 + 30 + 220 + 280) = 170円
30%でも、実質ではかなり薄いことがわかります。
現場で多い誤解
1) 原価率30%なら全部OK
目安としては有効ですが、利益保証ではありません。
2) 固定費は月末にまとめて見ればいい
商品ごとの差が見えず、打ち手が遅れます。
3) 売れている商品は放置してよい
売れ筋ほど、薄利だとダメージが大きいです。
今週やること
- 上位10商品の食材原価率を確認
- 固定費と人件費を1品に割り戻して再計算
- 実質粗利が薄い上位3商品を抽出
- 量目・価格・セットを1つずつ見直し
- 翌週、販売数と実質粗利を再確認
まとめ
原価率30%は、入口としては役立ちます。 でも、店を守る判断はそこから先です。
固定費を1品に割り戻すだけで、 どこで利益が抜けているかがはっきり見えるようになります。