「売上はあるのに、利益が思ったより残らない。」
会計ソフトの数字と体感が合わない——この違和感の原因、期末在庫のズレであることが多いです。
先に結論
- 売上原価の式は簡単でも、期末在庫がズレると粗利判断がズレる
- 月末30分で売上上位食材だけ棚卸しするだけでも精度は上がる
- 完璧より毎月同じやり方で続けることが大事
用語をやさしく
- 期末在庫: 月末時点で店に残っている食材や包材の金額
- 売上原価: 売れた分に対応する原価。式は
期首在庫 + 当期仕入 - 期末在庫
なぜ今このテーマが急ぎなのか
- 確定申告の受付: 2026年2月16日〜3月16日(国税庁)
- 2025年の食品値上げ: 20,609品目
- 2025年の飲食店倒産: 1,002件
仕入れ価格が大きく動く年ほど、期末在庫のズレは「小さな誤差」では済みません。
ズレが起きる3パターン
- 税込単価と税抜単価が混ざっている → 在庫金額が1割ズレる
- 食材は数えるが包材は数えない → コストの一部が抜け落ちる
- 棚卸し担当が毎月変わって基準がブレる → 月ごとの比較ができない
計算例で見る影響
| 項目 | 正しい | 入力ミス |
|---|---|---|
| 期首在庫 | 220,000円 | 220,000円 |
| 当期仕入 | 1,180,000円 | 1,180,000円 |
| 期末在庫 | 260,000円 | 200,000円 |
| 売上原価 | 1,140,000円 | 1,200,000円 |
期末在庫の6万円ミスが、そのまま売上原価の6万円差になります。 この差で値上げ判断や仕入れ判断を誤る店は少なくありません。
月末30分の直し方
10分: 対象を絞る
- 売上上位メニューに使う食材5〜10点
- 包材のうち金額が大きいもの2〜3点
10分: 単価をそろえる
- 税込か税抜か、どちらかに統一
- 直近の納品書で単価を更新
10分: 売上原価を再計算
売上原価 = 期首在庫 + 当期仕入 - 期末在庫
前月との差を見て、「仕入れ単価の上昇なのか」「在庫計上ミスなのか」を切り分けます。
チェックリスト
- 期末在庫は金額で記録した
- 食材だけでなく包材も対象に入れた
- 税込/税抜の基準を統一した
- 前月との差額をメモした
期末在庫は申告のためだけの作業ではありません。 来月の値付けと利益予測を外さないための土台です。 月末30分、上位食材だけ。それでも売上原価のズレはかなり減らせます。
レシピ原価がKitchenCostで出せていると、在庫金額の計算も楽になります。食材の単価が登録済みなので。