月末に通帳を見て、「今月は赤字だったのか黒字だったのか、結局よく分からない」—— そんな経験はありませんか。
損益分岐点(そんえきぶんきてん)という言葉は難しそうですが、 意味はシンプルです。赤字にならない売上ラインのこと。 この数字が手元にあるかどうかで、値上げや仕入れの判断スピードがまったく変わります。
先に結論
- 計算式は2つだけ。5分で出せる
- まず月次で出して、次に週次に分ける
- 売上だけでなく「必要客数」まで出すと現場で使いやすい
まずこの2式
損益分岐点売上 = 固定費 ÷ (1 - 変動費率)
必要客数 = 損益分岐点売上 ÷ 客単価
用語をやさしく
- 固定費: 家賃・基本給・保険料など、売上がゼロでも出ていく費用
- 変動費率: 売上に比例して増える費用(食材費・包材費など)の割合
5分シミュレーション
前提:
- 月の固定費: 120万円
- 変動費率: 58%
- 客単価: 1,200円
損益分岐点売上 = 1,200,000 ÷ (1 - 0.58)
= 1,200,000 ÷ 0.42
= 約285万円
必要客数 = 2,857,143 ÷ 1,200 = 約2,381人/月
つまり月に約285万円、2,381人の来客が必要。 ここから「じゃあ1日何人?」「客単価を100円上げたらどうなる?」と逆算できます。
よくある勘違い
- 売上目標だけ高く設定する → 固定費を見ていないので根拠がない
- 客単価を上げずに客数だけ増やそうとする → 回転率の限界にぶつかる
- 変動費率を古いまま使う → 実態とズレて目標が甘くなる
2025年は食品値上げ品目が20,609品目まで増えました。 半年前の原価率で計算すると、損益分岐点そのものが間違ってしまいます。
週次へ落とす方法
月次で出した数字を4で割るだけです。
週の目安売上 = 月の損益分岐点売上 ÷ 4
毎週この数字と実績を比べれば、月末まで待たなくても軌道修正できます。 「今週ちょっと足りないな」と水曜に気づければ、木金で手が打てるわけです。
今週やること
- 固定費を1つの表にまとめる
- 変動費率を最新の仕入値で更新する
- 損益分岐点売上を計算する
- 客単価で必要客数を出す
- 週目標に分解する
損益分岐点は、経理のための数字ではありません。 「今日あと何人来ればいいか」を知るための数字です。 5分で出して、週単位で追いかける。ここから利益改善が始まります。
KitchenCostでレシピ原価を出しておくと、変動費率の更新が楽になります。食材費の部分が自動で計算されるので。