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飲食店の確定申告、まだ手書きで消耗してない?──freee・マネーフォワード・弥生、個人店に合うのはどれか

飲食店の個人事業主向けクラウド会計ソフト3社を徹底比較。freee月額980円〜、マネーフォワード900円〜、弥生は初年度無料。POS連携・軽減税率・インボイス対応の違いから「結局どれを選べばいいか」まで、1つの表で即決できるガイド。

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目次

確定申告が終わった直後の3月。ホッとしたのも束の間、「来年こそはもう少し楽にやりたい」と思っているオーナーは多いはず。

でも実際のところ、飲食店の確定申告は年々むずかしくなっている

2023年にインボイス制度が始まり、2019年からは軽減税率で食材(8%)と酒類(10%)が混在。「レシートを箱に入れて、年末にまとめて計算」──このやり方だと、仕訳だけで3日以上つぶれるのが今の現実だ。

そこで頼りになるのが、クラウド会計ソフト。銀行口座やクレジットカードと連携して、日々の経費を自動で帳簿に入れてくれる。

ただ、「freee」「マネーフォワード」「弥生」の3社があって、どれを選べばいいかわからない。ネットで調べても、税理士向けの比較記事ばかりで、飲食店オーナーが知りたいことが書いていない

──この記事では、飲食店の個人事業主に絞って、3社の料金・機能・POS連携を比較する。


先に結論

  • まず無料で始めたい弥生(初年度0円。2年目から年12,980円〜)
  • 簿記がまったくわからないfreee(質問に答える形式で確定申告書が完成する)
  • POSレジ連携を重視マネーフォワード or freee(Airレジ・スマレジ対応)
  • 税理士に丸投げする予定マネーフォワード(税理士の利用率が高く、データ共有がスムーズ)

迷ったら、弥生の無料プランで1年使ってみる → 不満が出たら乗り換えるのが最もリスクが低い。


そもそもクラウド会計ソフトで何が変わるのか

「エクセルで十分」「紙の帳簿でやってきた」という人も多い。でも飲食店でクラウド会計を入れると、3つのことが劇的に変わる

① 確定申告の準備が「3日」→「半日」になる

銀行口座とクレジットカードを連携するだけで、家賃・光熱費・通信費・リース料などの固定費は自動で帳簿に入る。手入力が必要なのは、現金で払った仕入れのレシートだけ。

毎月30分ずつ仕訳をしておけば、確定申告の時期にはほとんど終わっている状態になる。

② 軽減税率の仕訳ミスがなくなる

飲食店は、食材仕入れ(軽減税率8%)と酒類・備品(標準税率10%)が混在する。手計算だと間違えやすいが、会計ソフトなら品目ごとに税率を自動判定してくれる。

③ 青色申告65万円控除が”勝手に”もらえる

青色申告の65万円控除を受けるには、複式簿記で帳簿をつけてe-Taxで電子申告する必要がある。

「複式簿記って何?」 という人でも大丈夫。3社とも、収入と支出を入力すれば裏側で自動的に複式簿記の帳簿が作られる。自分で「借方・貸方」を考える必要はない。


3社の料金比較

個人事業主(飲食店オーナー)が使うプランで比較する。

freeeマネーフォワード弥生
最安プランスターターパーソナルミニセルフ(青色申告)
月額(年払い)980円900円1,082円(年12,980円)
初年度有料1ヶ月無料体験無料
年間コスト(初年度)11,760円約10,800円0円
年間コスト(2年目〜)11,760円10,800円12,980円
消費税申告○(スターターから)×(パーソナル以上)
e-Tax連携
電話サポート×(プレミアムのみ)×(プラスのみ)×(ベーシック以上)

ポイント

  • 最安はマネーフォワード(月900円)だが、消費税申告に非対応なのがネック。飲食店で売上1,000万円を超えてインボイス登録しているなら、パーソナルプラン(月1,280円)が必要
  • 初期費用ゼロで始めるなら弥生。セルフプランは初年度完全無料で、機能制限なし
  • freeeは全プランで消費税申告対応。インボイス登録済みの飲食店にはシンプル

飲食店で重要な3つの機能を比較

料金だけでなく、飲食店ならではの使い勝手で比較する。

① POS連携

POSレジfreeeマネーフォワード弥生
スマレジ
Airレジ×
Square×
ユビレジ××
連携数16種10種程度5種
  • Airレジ(リクルート)を使っているなら、弥生は選べない。freeeかマネーフォワードの2択になる
  • スマレジなら3社とも対応しているので、会計ソフト選びの制約にならない
  • ユビレジユーザーはfreee一択

② レシート撮影・読み取り

現金仕入れが多い飲食店では、レシートの処理スピードが重要。

freeeマネーフォワード弥生
レシート撮影○(スマホアプリ)○(月15件〜30件の制限あり)○(スマホアプリ)
OCR読み取り○(自動仕訳提案)○(自動仕訳提案)○(自動仕訳提案)
撮影枚数制限なしミニ15件/月、パーソナル30件/月なし
  • マネーフォワードのパーソナルミニは月15件まで。毎日仕入れがある飲食店だと足りない可能性がある。月30件以上ならパーソナルプラン(月1,280円)が必要
  • freeeと弥生は枚数制限なし。現金仕入れが多い飲食店には有利

③ インボイス・消費税対応

freeeマネーフォワード弥生
消費税申告○(全プラン)○(パーソナル以上)○(全プラン)
インボイス管理
適格請求書発行
軽減税率自動判定

3社とも軽減税率・インボイスには対応しているが、マネーフォワードの最安プラン(パーソナルミニ)だけ消費税申告が使えない。これは飲食店には大きな落とし穴。


「結局どれ?」──3つのパターンで選ぶ

パターン①:開業したばかり or まだ会計ソフトを使ったことがない

→ 弥生(やよいの青色申告オンライン)

理由:

  • 初年度無料で、機能制限なし。「合わなかったら来年やめればいい」が通用する
  • 操作が最もシンプル。画面の選択肢が少ないので迷いにくい
  • 会計ソフトの老舗で、ネット上に使い方の情報が多い

パターン②:POSレジ連携で売上入力を自動化したい

→ freee

理由:

  • 連携できるPOSレジが16種で業界最多。Airレジ、スマレジ、Square、ユビレジすべて対応
  • 最安プランでも消費税申告に対応。インボイス登録済みの店でもプランを上げなくていい
  • レシート撮影の枚数制限がないので、現金仕入れが多い飲食店でも安心

パターン③:税理士にお願いしている or お願いする予定

→ マネーフォワード

理由:

  • 税理士の利用率が高く、「先生がマネーフォワードを使っている」ケースが多い。データ共有がスムーズ
  • 従来の会計ソフトに近い画面構成なので、税理士とのやり取りで「ここの仕訳を見てください」が伝わりやすい
  • 経営レポート機能が充実していて、税理士との月次面談の資料にそのまま使える

飲食店オーナーがやりがちな3つの失敗

失敗①:「無料だから」で白色申告を選ぶ

弥生には「やよいの白色申告オンライン」という完全無料のプランもある。「無料なら白色でいいかな」と思いがちだが、飲食店なら青色申告のほうが圧倒的に得

青色申告特別控除の65万円は、所得税率20%の人なら年間13万円の節税になる。会計ソフトの年額(1万〜1.3万円)の10倍だ。

失敗②:最安プランで始めて、消費税申告ができないことに気づく

マネーフォワードのパーソナルミニ(月900円)は、消費税申告に対応していない。

売上が1,000万円を超えている飲食店(= 課税事業者)や、インボイス登録をした店は、確定申告のタイミングで消費税の申告も必要になる。そのときに「このプランでは消費税申告ができません」と表示されて、あわててプランを上げるケースがある。

最初からパーソナルプラン(月1,280円)にしておくか、消費税申告が全プラン対応のfreee・弥生を選ぶほうが安心。

失敗③:POSレジとの連携を確認せずに契約する

「会計ソフトを決めてから、POSレジと連携できないことに気づいた」というパターン。

特にAirレジユーザーが弥生を選ぶと、連携できない。事前に自分のPOSレジが対応しているか、必ず確認してから契約すること。


導入後の月次ルーティン(飲食店版)

会計ソフトを入れたら、毎月やることは3つだけ。

月初(5分):前月の自動取込を確認

銀行・カードの明細が正しく取り込まれているか確認する。ほとんどは自動仕訳されているので、「食材の仕入れが消耗品になっていないか」だけチェックすればOK。

月末(30分):現金レシートを入力

現金で払った仕入れのレシートを、月末にまとめてスマホで撮影。OCR(自動読み取り)で金額と日付が入るので、勘定科目を選ぶだけ。

コツ:レシートは「月ごとに封筒に入れておく」だけで十分。無理に毎日入力しなくても、月1回でOK。

四半期ごと(1時間):損益をざっと確認

3ヶ月に1回、会計ソフトの「レポート」画面で食材費率と人件費率を確認する。数字がおかしければ、その場で仕訳を修正。

この3ステップだけで、確定申告の時期にはほぼ何もしなくていい状態が出来上がる。


今週やること

  • 自分のPOSレジ(スマレジ? Airレジ? Square?)を確認する
  • 3社の無料体験・無料プランにどれか1つ登録してみる(弥生なら初年度無料)
  • メインの銀行口座とクレジットカードを1つずつ連携する
  • 先月分の仕入れレシート(10〜20枚)を試しに入力してみる

30分あれば、ここまでできる。 「来年の確定申告を楽にするかどうか」は、この30分で決まる。


参考情報

  • freee公式サイト「個人事業主向け料金プラン」
  • マネーフォワード クラウド確定申告「料金プラン(個人事業主向け)」
  • 弥生公式サイト「やよいの青色申告 オンライン 料金プラン」
  • スマレジ「POSレジと連携可能な5つの会計ソフトを徹底比較」
  • 税理士コラボネット「freee・MF・弥生 3大クラウド会計ソフトを徹底比較」
  • 国税庁「青色申告特別控除額の改正」
  • 国税庁「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」

原価を正確に把握し、売上・コスト管理を始めたい方には KitchenCost が便利です。レシピごとの原価計算と利益シミュレーションが、スマホ1つで完結します。

よくある質問

飲食店の個人事業主におすすめの会計ソフトはどれですか?

3社とも飲食店で使えますが、特徴が異なります。①簿記の知識がゼロで、とにかく簡単に始めたいならfreee(月額980円〜)。質問に答える形式で確定申告書が完成します。②POSレジ(Airレジ・スマレジ等)と連携して売上を自動取込したいならマネーフォワード(月額900円〜)。③まず無料で1年使って判断したいなら弥生(初年度0円・2年目から年12,980円〜)。迷ったら、弥生の無料プランで始めて、不満が出たらfreeeかマネーフォワードに乗り換えるのが低リスクです。

飲食店でクラウド会計ソフトを使うメリットは何ですか?

最大のメリットは「毎月の経理が1〜2時間で終わること」です。銀行口座とクレジットカードを連携すれば、家賃・光熱費・通信費などの固定費は自動で帳簿に入ります。手入力が必要なのは現金仕入れのレシートだけ。確定申告時期に1年分をまとめて入力する地獄がなくなります。さらに、軽減税率8%と標準税率10%の自動判別、インボイス制度への対応、青色申告65万円控除に必要な複式簿記も自動で処理されます。

freee・マネーフォワード・弥生の料金はそれぞれいくらですか?

個人事業主向けの最安プランで比較すると、マネーフォワード パーソナルミニが月額900円(年額10,800円)で最安。次にfreee スタータープランが月額980円(年額11,760円)。弥生 やよいの青色申告オンラインはセルフプランが年額12,980円(月額換算1,082円)ですが、初年度無料キャンペーンがあるため、1年目のコストは0円です。いずれも確定申告書の作成・電子申告(e-Tax)に対応しています。

飲食店の会計ソフトでPOSレジ連携は必要ですか?

1日の売上が30件を超える店舗では、POS連携があると圧倒的に楽です。手入力だと毎日10〜15分かかる売上入力が、連携すればワンクリック。月間で5〜8時間の節約になります。スマレジはfreee・マネーフォワード・弥生すべてと連携可能。Airレジはfreeeとマネーフォワードに対応しています。ただし、1日10〜20件程度の小規模店なら、日計表を1行だけ手入力するだけなので、POS連携なしでも十分対応できます。

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