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プライムコストが60%を超えた。売上はあるのに残らない店の立て直し手順

プライムコスト(食材費+人件費)が60%を超えると、売上があっても利益が残りにくくなります。食材と人件費のどちらが重いかを見分けて、優先順位をつけて戻す手順をまとめました。

更新 2026年2月18日
プライムコストFLコスト飲食店 経営人件費原価率
目次

「今月、けっこう売ったはずなのに……」

通帳を見たら、思ったほど残っていない。

売上は悪くない。お客さんも来ている。なのに利益が薄い。その正体はプライムコストが60%を超えていることかもしれません。

プライムコストとは、食材費と人件費を足した数字です。飲食店の売上の中で最も大きな2つのコスト。これが売上の60%を超え続けると、家賃や光熱費を払った後にはほとんど何も残りません。

先に結論

  • プライムコスト=食材費+人件費。売上の55〜60%以下が健全ライン
  • 60%超えの原因は「F(食材費)」か「L(人件費)」のどちらか。まず分解する
  • 全部を一度に直そうとしない。上位から1つずつ潰す

プライムコストの計算

プライムコスト率 = (食材費 + 人件費) ÷ 売上 × 100

たとえば、月商300万円の店で——

  • 食材費:95万円(31.7%)
  • 人件費:90万円(30.0%)
  • プライムコスト率:61.7%

残りの38.3%(115万円)から家賃、光熱費、消耗品、借入返済、広告費……を払う。家賃が30万円、光熱費15万円、その他20万円なら、残るのは50万円。ここからオーナーの給料を出す。

プライムコストが65%だったら? 残りは105万円。同じ経費を引くと40万円。月10万円の差は年間120万円になります。

2025〜2026年、FとLが同時に重くなっている

プライムコストが厄介なのは、FもLも同時に上がっていること。

  • 2025年の食品値上げは20,609品目(帝国データバンク)
  • 最低賃金は全国加重平均1,121円に上昇(厚生労働省)
  • 価格転嫁率は飲食業で32.3%。コスト増の7割近くを自腹で吸収
  • 2025年の飲食店倒産は1,002件。過去30年で最多

食材費を抑えても人件費が上がる。人件費を抑えても食材費が上がる。両方同時に来るから、片方だけ見ていても間に合わないのが今の環境です。

立て直しの3ステップ

ステップ1:FとLを分解する

まず、プライムコスト率を「F(食材費率)」と「L(人件費率)」に分けます。

F率 = 食材費 ÷ 売上 × 100
L率 = 人件費 ÷ 売上 × 100
ケースF率L率PC率重い方
A店35%28%63%食材費
B店28%35%63%人件費
C店32%32%64%両方

同じ63〜64%でも、原因が全く違います。分解しないと、的外れな対策を打ってしまう。

ステップ2:重い方から手をつける

食材費が重い場合(F率 > 32%)

  1. 売上上位5品の原価率を確認する
  2. 原価率が高い商品のうち、粗利額も低いものを特定する
  3. 盛り付け量の見直し、仕入れ先の比較、値上げ検討——1品ずつ対応

人件費が重い場合(L率 > 30%)

  1. 時間帯別の売上と人件費を出す
  2. 売上が少ないのに人員が多い時間帯を特定する
  3. シフトの見直し、オペレーション改善——1時間帯ずつ対応

ステップ3:週次で追いかける

月次だけだと、悪化に4週間気づけません。

週次で簡易チェックを入れます。

  • 週の食材費÷週の売上=F率
  • 週の人件費÷週の売上=L率
  • 前週比で合計3pt以上動いたら原因を確認

10分あればできます。これだけで「手遅れになる前に手が打てる」状態になります。

業態別のプライムコスト目安

業態PC率の目安内訳の傾向
ラーメン店55〜62%F高め、L低め
居酒屋58〜65%F中、L高め
カフェ50〜58%F低め、L中
焼肉店60〜68%F高め、L低め
定食屋55〜63%F中、L中

自分の業態の目安より5pt以上高ければ、優先的に見直しが必要です。

今週やること

  • 先月の食材費と人件費を出す
  • プライムコスト率を計算する
  • F率とL率に分解して、どちらが重いか特定する
  • 重い方の上位3項目だけ、改善候補を書き出す

一気に全部を直そうとしないでください。重い方から、上位から、1つずつ。 プライムコストは1か月で劇的に変わるものではありませんが、毎週見ていれば確実に改善方向に動きます。


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参考データ(確認日: 2026-02-17)

よくある質問

プライムコストとは何ですか?

食材費(F)と人件費(L)を合わせた金額を売上で割った割合です。飲食店の経営体質を見る最も基本的な指標で、FLコストとも呼ばれます。55〜60%以下が健全ラインとされています。

60%を超えたら危険ですか?

60%超えが続くと、家賃・光熱費・消耗品を払った後に利益がほとんど残りません。焼肉店など業態によっては60%台前半が通常の場合もありますが、上昇傾向なら早めの対応が必要です。

食材費と人件費、どちらから見直すべきですか?

まずどちらが上振れしているか分解してください。食材費が上振れなら売上上位5品の原価率を確認。人件費が上振れなら低売上時間帯のシフトから見直します。

プライムコストはどれくらいの頻度で見るべきですか?

月次確認が基本ですが、仕入値や人件費が頻繁に動く環境では週次の簡易チェックも入れると悪化を早期に止められます。

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