値上げしないと厳しい。でも、値上げしたらお客さんが離れるかもしれない。
この板挟み、いま多くの小さな飲食店が抱えています。 でも「怖いから動かない」のが、実は一番危ないんです。
先に結論
- 一律で上げない。商品ごとに上げ幅を3段階に分ける
- 判断基準は原価率だけでなく1品あたりの粗利額
- 告知は短く、事実を先に出す
いまの現実
- 帝国データバンクの調査: 価格転嫁率は39.4%(コスト上昇分をそれだけしか転嫁できていない)
- 中小企業庁の調査: 53.5%(調査方法で差が出るが、どちらにしても不十分)
- 2025年の食品値上げ: 20,609品目
調査ごとに数字は違いますが、共通のメッセージは同じです。 「コスト上昇に、価格改定が追いついていない」。
値上げ判断の3ステップ
ステップ1: 商品を3つに分ける
| 分類 | 方針 | 目的 |
|---|---|---|
| 据え置き | 価格維持 | 客数維持の看板商品 |
| 小幅改定 | +3〜5% | 目立たず利益を回復 |
| 重点改定 | 原価から逆算 | 採算割れを止める |
全部上げるより、この3分類のほうがお客さんの反発は小さいです。
ステップ2: 数字で確認する
粗利額 = 売価 - 1品あたりの原価
改定後粗利差 = 改定後の粗利額 - 改定前の粗利額
販売数が多いのに粗利が薄い商品は最優先。 ここを放置すると、売れるほど赤字の穴が広がります。
ステップ3: 告知は1分で読める形に
- 理由(仕入れ・人件費の上昇)
- 開始日(いつから)
- 対象(どの商品)
長い説明をするほど、かえって不信感が増します。 短く明確に書くほうが、お客さんには信頼されます。
よくある失敗
- 全商品を同じ率で上げる → 安い看板商品まで上がって客数が減る
- 告知なしで突然上げる → 会計時に気づいて不信感が残る
- 値上げ後に客数だけ見て粗利を見ない → 数量は減ったのに粗利は増えている、という成功に気づけない
今週やること
- メニューを「据え置き/小幅/重点」の3つに分ける
- 重点改定商品の粗利額を計算する
- 告知文を3行で1本作る
- 改定後14日間、粗利額を毎日記録する
値上げは勇気ではなく、設計です。 3分類して、短く伝えて、2週間だけ追う。 この順番なら、客離れの不安を抑えながら利益を守れます。
商品ごとの粗利額を出すなら、KitchenCostが早いです。レシピ登録するだけで原価率と粗利が自動計算されます。