「飲み放題、120分を続けるべきか迷う」
この相談、最近かなり増えています。 特に小さな居酒屋だと、席回転と人手の両方に効くので重いテーマです。
先に結論
- まず
1組あたり原価を90分と120分で比較します。 - 120分が悪いのではなく、
平均杯数と滞在時間が合わないと利益が薄くなります。 - いきなり全変更せず、2週間テストして数字で決めるのが安全です。
2026年に見直しが必要な理由
- 帝国データバンク調査では、2026年2月の飲食料品値上げは 674品目。
- そのうち「酒類・飲料」は 298品目 と最も多い分野でした。
- 値上げ要因で「人件費」由来は 66.2%。
ここでいう 価格転嫁 は、
上がったコストを販売価格へ反映することです。
ただ、同社調査では飲食店の価格転嫁率は 32.3%(全業種平均 39.4%)。 値上げだけでは吸収しきれない店が多いので、設計見直しが必要になります。
現場の声(コミュニティ)
飲食店ドットコム会員調査(回答297)では、 2024年の印象的ニュース1位は「円安・物価高騰(40.1%)」でした。
さらに、2025年トレンド予想では 「人手不足の観点からの回答が多かった」と報告されています。
つまり、 飲み放題は「売上を作る施策」だけでなく、 「人手負担をどう抑えるか」の設計でもある、ということです。
5分でできる比較計算
1組あたりドリンク原価 = 1杯あたり原価 × 平均杯数
1組あたり人件費 = 1分あたり人件費 × 対応分数
1組あたり総原価 = ドリンク原価 + 人件費 + 共通費配賦
1組あたり粗利 = 飲み放題価格 - 1組あたり総原価
例(同じ価格で比較)
前提:
- 飲み放題価格: 1,980円
- 1杯あたり原価: 120円
- 1分あたり人件費: 19円(時給1,121円を目安)
- 共通費配賦: 150円/組
90分:
- 平均杯数 4.0杯
- 対応分数 18分
120分:
- 平均杯数 5.2杯
- 対応分数 24分
90分の総原価 = (120×4.0) + (19×18) + 150
= 480 + 342 + 150
= 972円
90分の粗利 = 1,980 - 972 = 1,008円
120分の総原価 = (120×5.2) + (19×24) + 150
= 624 + 456 + 150
= 1,230円
120分の粗利 = 1,980 - 1,230 = 750円
この例だと、 同価格なら90分の方が1組あたり粗利は高くなります。
判断を外しにくくする3ステップ
- 金土だけ90分にして2週間テスト
- 比較する数字を3つに固定
:
客数客単価1組あたり粗利 - クレーム件数も合わせて見る
数字と反応を同時に見ないと、 「売上は上がったのに利益は残らない」が起きやすいです。
告知文は短くで十分
いつもありがとうございます。
混雑時間帯の品質維持のため、
金土の飲み放題を90分制に変更いたします。
長文より、 「理由・対象曜日・開始日」を短く伝える方が現場で回しやすいです。
今週やること
- 90分と120分の平均杯数を出す
- 1組あたり総原価を比較する
- 金土だけ2週間テストする
- 客数・客単価・粗利を日次で記録する
- 14日後に継続/修正を決める
まとめ
飲み放題の時間は、 「なんとなく」ではなく原価で決める時代です。
90分か120分かの答えは店ごとに違います。 でも、5分計算と2週間テストを回せば、迷いはかなり減らせます。