90分の授業を終えて、教室の電気を消す。
講師に2,250円、教室の固定費に520円、教材に120円。 3,000円の授業料から引くと、残りは110円。これが1コマの現実です。
先に結論
- 授業料は近隣相場ではなく「1コマ原価」から決めると赤字を防げる
- 1コマ原価は講師人件費+固定費按分+教材費を足すだけ
- 全コース一斉改定より、新規生から適用or小幅テストが安全
なぜ今見直すのか
消費者物価指数は前年比**+3.2%(2025年平均、総務省統計局)。 最低賃金は全国加重平均1,121円**で前年から66円上昇(厚生労働省)。
講師の時給を上げれば原価が増える。でも授業料を据え置けば利益が消える。 この板挟みを解くには、まず1コマ原価を正確に知ることです。
先に用語をかんたんに
- 1コマ原価: 授業1コマにかかる全費用
- 固定費按分(あんぶん): 家賃や光熱費などを1コマあたりに割り振ること
- 1コマ利益: 授業料から1コマ原価を引いた残り
使う式は3つ
1コマ原価 = 講師人件費 + 固定費按分 + 教材費
1コマ利益 = 1コマ授業料 - 1コマ原価
必要授業料 = 1コマ原価 + 目標1コマ利益
数字で見てみる
- 1コマ: 90分
- 講師時給: 1,500円
- 固定費按分: 520円/コマ
- 教材費: 120円/コマ
- 現在授業料: 3,000円
講師人件費 = 1,500 × (90 ÷ 60) = 2,250円
1コマ原価 = 2,250 + 520 + 120 = 2,890円
1コマ利益 = 3,000 - 2,890 = 110円
1コマ110円。週20コマやっても月の利益は8,800円です。 目標を300円にするなら、必要授業料は3,190円。3,000円→3,200円の改定が最初の一歩になります。
失敗しにくい改定手順
- 主力3コースの1コマ原価を出す
- 現在授業料との差分を確認する
- +100〜300円の改定案を2つ作る
- 新規生から適用、または年度替わりに段階改定する
- 2週間ごとに継続率と利益を確認する
ありがちな失敗
- 講師人件費だけで計算して固定費を無視する
- 全コース同時に大幅改定して退塾が増える
- 改定後に退塾率を追わない
今日やること
- 主力3コースの1コマ原価を計算する
- 目標1コマ利益を決める
- 改定案を2つ作る(例: +150円 / +250円)
- 適用方法(新規生優先 or 段階改定)を決める
- 2週間後の見直し日を設定する
まとめ
授業料の改定は「値上げ」ではなく「原価に見合った料金への修正」です。
1コマ原価を知れば、いくら上げるべきかの答えは数字が出してくれます。 まず主力3コースだけ、今日計算してみてください。