17時の店内、スタッフ2人に客ゼロ。
この1時間の家賃と人件費、いくら流れているか計算したことはありますか。 ハッピーアワーは「安くする施策」ではなく、この空席コストを回収する仕組みです。
先に結論
- ハッピーアワーは空席が多い時間帯だけに絞ると失敗しにくい
- 判断は「1時間あたり粗利」で。通常時と比較してプラスなら続ける
- まず2週間テストして数字で判定する
2026年、値引きにも計算が必要な理由
2026年2月だけで飲食料品の値上げは674品目。酒類・飲料は298品目と最多(帝国データバンク)。 値上げ要因のうち「人件費」由来は66.2%。
飲食店の価格転嫁率は**32.3%**で、全業種平均39.4%より低い。 コスト増を値上げだけで吸収しにくいからこそ、時間帯ごとの粗利設計が重要になっています。
お客さんは嫌がる?
外食総研の調査によると、ダイナミックプライシング全体で「納得できる」は54.3%。 そのうち「夕方早めは割安(ハッピーアワー等)」に限ると**63.1%**が納得と回答しています。
伝え方さえ間違えなければ、受け入れてもらえる施策です。
5分で計算する
1杯あたり粗利 = ハッピーアワー価格 - (ドリンク原価 + 提供人件費)
1時間あたり粗利 = 1杯あたり粗利 × 1組あたり平均杯数 × 1時間の組数
例(17:00〜18:00)
- ハッピーアワー価格: 390円
- ドリンク原価: 105円 / 提供人件費: 25円
- 1組あたり平均杯数: 2.4杯
- 1時間の来店: 8組
1杯あたり粗利 = 390 - (105 + 25) = 260円
1時間あたり粗利 = 260 × 2.4 × 8 = 4,992円
通常時に同じ時間帯で2組しか来ないなら、ハッピーアワーの方が圧倒的に利益が出ます。 逆に、すでに満席に近い時間を値引きすると利益が減るだけです。
失敗しない3ステップ
- 対象時間を1枠に固定する(例: 17:00〜18:00)
- 対象商品を2〜3品に絞る(生ビール・ハイボールなど)
- 14日後に数字で判定する
見る数字は3つだけ。来店組数・杯数・1時間あたり粗利。
告知はシンプルに
平日17:00〜18:00 ハッピーアワー実施中
対象ドリンクを特別価格でご提供します
時間・対象・価格を短く出す。それ以上の説明は不要です。
今週やること
- 空席が最も多い1時間帯を特定する
- 対象ドリンクを2〜3品に絞る
- 1杯あたり粗利を計算する
- 2週間テスト運用を開始する
- テスト後、通常時との粗利を比較して判定する
まとめ
ハッピーアワーは「安売り」ではなく「空席時間の粗利づくり」です。
対象時間を絞って、数字で判断して、短く伝える。 この3つを守れば、値引きの怖さはかなり減ります。