在庫は資産ですが、動かない在庫は現金を止めます。
忙しくても手元資金が苦しい店は、だいたいここで詰まっています。
先に結論
- 在庫は「金額」と「日数」で見る
- 在庫回転率より、在庫回転日数までセットで管理する
- 上位食材から週次で調整すると、資金繰りが改善しやすい
2026年に在庫回転を見直す理由
帝国データバンクでは、2025年の食料品値上げが 2万609品目(前年比 +64.6%)。
原材料由来の値上げ要因は 99.7% と高水準です。
一方で、2025年の飲食店倒産は 900件。そのうち小規模倒産は 696件(77.3%) でした。
仕入れ価格が揺れる時期に在庫が重いと、小さな店ほど資金繰りに直撃します。
計算式はこの3つ
平均在庫 = (期首在庫 + 期末在庫) ÷ 2
在庫回転率 = 売上原価 ÷ 平均在庫
在庫回転日数 = 平均在庫 ÷ 売上原価 × 30
在庫回転率だけだと現場の感覚に落ちにくいので、日数まで出すのがコツです。
かんたん試算(月次)
前提A:
- 期首在庫:
420,000円 - 期末在庫:
480,000円 - 月間売上原価:
900,000円
平均在庫 = (420,000 + 480,000) ÷ 2 = 450,000円
在庫回転率 = 900,000 ÷ 450,000 = 2.0回/月
在庫回転日数 = 450,000 ÷ 900,000 × 30 = 15日
前提B(在庫が膨らんだ月):
- 平均在庫:
720,000円 - 月間売上原価:
900,000円
在庫回転率 = 1.25回/月
在庫回転日数 = 24日
同じ売上原価でも、在庫日数が 15日→24日 になると、手元に残るはずの現金が重くなります。
現場で効く運用順
- 売上上位10品目の主要食材だけ対象にする
- 高単価食材を「発注頻度を上げて量を下げる」方向で見直す
- 月末に合わせず、週次で在庫金額を確定する
最初から全SKUを完璧にやろうとすると止まりやすいです。
まずは影響が大きい食材だけで十分です。
今日からの週次チェック
- 期首・期末在庫を金額で記録
- 在庫回転率と在庫回転日数を算出
- 先週より悪化した食材を3つだけ抽出
- 発注ロットか発注頻度のどちらか1つを調整
まとめ
在庫管理は、節約テクニックではなく資金繰り管理です。
回転日数が見えると、どこで現金が詰まっているかがはっきりします。
まずは上位食材だけで、今週分を計算してみてください。
それだけでも、原価とキャッシュの見え方が変わります。