「原価率が高い。仕入れが上がったから仕方ない。」
この見方だけだと、対策が遅れます。
実際は、食材以外の要因で原価率が上がっている店が多いからです。
先に結論
- 原価率悪化は、食材単価だけが原因ではない
- 特に見落としやすいのは「売上構成」「ロス」「値引き」
- 週1回、3指標だけ見ると改善しやすい
なぜ今、原価率の見直しが必要か
- 2025年の飲食店倒産は
900件(過去最多) - 価格転嫁率は
53.5%で、コスト増を全部は価格に乗せにくい - 2026年2月の食品価格改定は
674品目、平均16%
コストが上がる時期ほど、原因を細かく分けて見る必要があります。
よくある3つの見落とし
1. 食材費しか見ていない
「原価率が高い」と言いながら、ドリンク側の変化を見ていないケースです。
ドリンク売上が落ちると、全体原価率は上がりやすくなります。
2. 廃棄ロスを別管理にしている
廃棄を会計上の別項目にすると、商品別の実態が見えにくくなります。
3. 値引きを“販促費”で終わらせる
値引きが常態化すると、粗利を直接削ります。
原価率と一緒に見る方が判断しやすいです。
まず使う計算式
食材原価率 = 食材費 ÷ 売上 × 100
実質原価負担率 = (食材費 + 廃棄ロス + 値引き負担) ÷ 売上 × 100
ドリンク売上比率 = ドリンク売上 ÷ 総売上 × 100
- 実質原価負担率: 本当にどれだけコストが重いかを見る指標
かんたん例
先月
- 総売上 1,200,000円
- 食材費 360,000円
- 廃棄ロス 24,000円
- 値引き負担 12,000円
- ドリンク売上 360,000円
食材原価率 = 360,000 ÷ 1,200,000 × 100 = 30.0%
実質原価負担率 = (360,000 + 24,000 + 12,000) ÷ 1,200,000 × 100 = 33.0%
ドリンク売上比率 = 360,000 ÷ 1,200,000 × 100 = 30.0%
今月(ドリンク低下)
- 総売上 1,050,000円
- 食材費 350,000円
- 廃棄ロス 30,000円
- 値引き負担 18,000円
- ドリンク売上 210,000円
食材原価率 = 33.3%
実質原価負担率 = 37.9%
ドリンク売上比率 = 20.0%
食材費は少し下がっていても、全体は悪化します。
だから「仕入れだけ見直す」では足りません。
週1回で回る改善チェック
- 売上上位10品の粗利を更新
- 廃棄ロス上位3品を確認
- 値引き対象商品の粗利を再計算
- ドリンク売上比率を確認
この4つだけでも、打ち手の優先順位がかなり明確になります。
先に打つべき手
- 低粗利商品の値引きを止める
- ロスが大きい仕込みを半段階減らす
- ドリンクセット導線を1つ追加する
むずかしい言葉を一言で
- 粗利: 売上から直接コストを引いた残り
- 原価率: 売価に対して原価が占める割合
- 売上構成: 何がどれだけ売上を作っているかの内訳
今週やること
- 食材原価率と実質原価負担率を両方出す
- ドリンク売上比率を確認
- 廃棄ロス上位3品を特定
- 値引き対象を1つ減らして検証する