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飲食店で『カード手数料を上乗せ』は大丈夫?(2026): 規約リスクを避けて利益を守る

会計時の『カードは手数料◯%追加』は、トラブルの火種になりやすいです。小さな飲食店向けに、規約上の注意点と、上乗せせずに利益を守る価格設計をやさしく解説します。

公開 2026年2月17日
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目次

会計のときに、 「カード払いは手数料分を追加します」と言いたくなる日、ありますよね。 原価も人件費も上がっているので、その気持ちはかなり自然です。

ただ、ここは感覚で決めると危ないポイントです。 規約リスクとお客さんの不信感が同時に出やすいからです。

先に結論

  • 決済手数料の「その場上乗せ」は、加盟店規約に触れる可能性があります
  • 手数料負担は、注文単位で見える化してメニュー価格側で吸収する方が安全です
  • まずは上位3品だけ直せば十分です。全品一斉に変える必要はありません

なぜ今、この相談が増えているのか

2024年のキャッシュレス決済比率は42.8%まで上がりました。 つまり、手数料は一部の注文ではなく、日常コストです。

一方で、価格転嫁率は53.5%。 ここでいう「価格転嫁」は、上がったコストを販売価格に反映することです。 半分近くは吸収しきれていない、という現場が多いんです。

飲食店の倒産は2025年に900件(過去最多)でした。 忙しいのに利益が残らない店が増えている背景とつながっています。

規約で特に見ておきたい点

難しい法律用語より先に、まずは契約です。

JCB加盟店規約(加盟店契約)には、 「会員に対して異なる代金を請求しない」「手数料等を請求しない」と読める条項があります。

PayPay加盟店規約にも、 PayPay利用者に追加金額を求めない旨の条項があります。

つまり実務では、 「その場で支払い方法ごとに上乗せ」は避けるのが無難です。

3分でできる手数料の見える化

1食あたり手数料 = 客単価 × キャッシュレス比率 × 手数料率

ミニ例:

  • 客単価: 1,200円
  • キャッシュレス比率: 42.8%
  • 手数料率: 3.0%
1食あたり手数料 = 1,200 × 0.428 × 0.03 = 15.4円

1日150食、月26営業日なら:

月間手数料 = 15.4 × 150 × 26 = 約60,000円

この金額が見えると、 「会計時に上乗せする」より「メニュー設計で回収する」方が現実的だと判断しやすくなります。

上乗せせずに利益を守る3ステップ

1) 上位10品の手数料込み粗利を出す

売れているのに薄利の商品を先に見つけます。 ここを直す方が効果が早いです。

2) 全品一律ではなく、上位3品だけ調整

いきなり全メニューを上げると反発が出やすいです。 販売数が多い3品だけ、10円〜30円単位で先に調整すると運用しやすいです。

3) お客さん向け説明は短く、正直に

「決済方法で追加料金」は避けて、 「原材料・人件費・決済コスト上昇のため価格を見直しました」と一本化します。

現場で多い誤解

誤解 1) 上乗せは法律違反だから絶対NG

実務では、法律論だけでなく契約違反リスクが先に問題になります。 まず加盟店規約を確認するのが最短です。

誤解 2) 現金だけ安くすれば問題ない

規約上「同一金額」が求められる場合があります。 現金割引も含めて、契約条件の確認なしで始めない方が安全です。

誤解 3) 手数料は小さいので無視してよい

1食では小さく見えても、月次では5万円〜10万円になる店が珍しくありません。 月次で見える化しないと、利益が静かに削られます。

今週やること

  • 契約中の決済会社・ブランド規約を確認する
  • 上位10品の「1食あたり手数料」を計算する
  • 手数料込み粗利が薄い3品を選ぶ
  • 価格調整は3品だけ先行実施する
  • 2週間後、販売数と粗利を再チェックする

まとめ

カード手数料をその場で上乗せしたくなる気持ちは、よくわかります。 でも、そこでトラブルを増やすより、 手数料を見える化して価格設計で回収した方が、店もお客さんも守りやすいです。

まずは上位3品から。 ここだけで、利益の戻り方がかなり変わります。

参考(確認日: 2026-02-17)

よくある質問

カード払いのときだけ追加料金を取ってもいいですか?

契約している決済会社やブランドの規約で禁止されている場合があります。まず契約条件の確認が必要です。

現金なら安くするのは問題ないですか?

規約上『同一金額』が求められるケースがあります。現金割引を始める前に、必ず加盟店規約を確認してください。

上乗せしないと手数料分が赤字になりませんか?

赤字を防ぐ方法はあります。上乗せではなく、メニュー単位で売価と粗利を見直す方がトラブルが少ないです。

まず何からやればいいですか?

上位メニューの『1食あたり手数料』を出し、影響が大きい3品だけ先に見直すのが現実的です。

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