「うちのカフェ、原価率は28%くらいだから、まあ大丈夫かな」
その28%、ドリンクとフードを一緒に計算した数字ではありませんか?
ドリンクの原価率は10〜20%。フードは30〜40%。構造がまるで違うものを平均して見ると、どちらが稼いでいてどちらが足を引っ張っているのか、まったくわからなくなります。
先に結論
- ドリンクとフードは原価率の構造が全く違う。分けて見るのが基本
- カフェの利益の柱はドリンク。フードは集客装置として設計する場合もある
- 「全体の原価率」ではなく「カテゴリ別の粗利額」で判断する
ドリンクとフード、原価率はこれだけ違う
| カテゴリ | 原価率の目安 | 1品あたりの粗利(例) |
|---|---|---|
| コーヒー(ホット) | 8〜15% | 450円売価 → 粗利385〜414円 |
| カフェラテ | 12〜20% | 500円売価 → 粗利400〜440円 |
| ケーキ・スイーツ | 30〜40% | 550円売価 → 粗利330〜385円 |
| サンドイッチ | 35〜45% | 600円売価 → 粗利330〜390円 |
コーヒー1杯の原価は36〜68円程度。ラテでも60〜100円。一方、ケーキは165〜220円、サンドイッチは210〜270円。
同じ500円台の商品でも、粗利額が100円以上違うことがあります。
「全体28%」の正体
全体の原価率が28%のカフェを、ドリンクとフードに分けてみます。
ドリンク: 売上 60万円 × 原価率15% = 原価9万円 → 粗利51万円
フード: 売上 40万円 × 原価率38% = 原価15.2万円 → 粗利24.8万円
全体: 売上100万円 → 原価24.2万円 → 全体原価率24.2%
一見24.2%で健全に見えますが、フードだけで見ると原価率38%。フードの売上比率が上がるほど、全体の原価率も上がります。
もしフードの人気が出て売上比率が50:50になったら——
ドリンク: 50万円 × 15% = 7.5万円
フード: 50万円 × 38% = 19万円
全体: 100万円 → 原価26.5万円 → 全体原価率26.5%
フードが売れるほど全体の原価率が上がる。この仕組みを知らずに「原価率が上がった!食材費を削ろう」とやると、フードの品質だけが下がって客離れにつながります。
ドリンク比率が高い店が強い理由
カフェの利益構造は、ドリンクの粗利率の高さに支えられています。
- コーヒー1杯:原価40円、売価450円 → 粗利410円
- ケーキ1個:原価200円、売価550円 → 粗利350円
コーヒーの方が60円多い。しかもコーヒーの方が提供時間も短く、廃棄リスクも低い。
だからドリンク比率が高い店ほど、少ない座席数でも利益が残りやすい。逆にフード中心のカフェは、ドリンクのセット率を上げる工夫が必要です。
フードの原価率を下げるか、セット率を上げるか
フードの原価率を直接下げるのは限界があります。食材の量を減らせば味や見栄えに影響が出るからです。
もう一つのアプローチは、フードにドリンクをセットで注文してもらう設計。
ケーキ単品: 550円 → 粗利330円(原価率40%)
ケーキ+コーヒーセット: 900円 → 粗利630円(原価率30%)
セットにするだけで、1組あたりの粗利が300円増える。フードの原価率を5pt下げるより効果的です。
今週やること
- 売上をドリンクとフードに分けて集計する
- それぞれのカテゴリで原価率を計算する
- ドリンクの売上比率を確認する(60%以上が理想)
- フード×ドリンクのセット設計を1つ考える
「全体の原価率」だけを見ていると、改善ポイントが見えません。分けた瞬間に、どこに手を打てばいいかがはっきりします。
KitchenCostなら、レシピをカテゴリ別に管理できます。ドリンクとフードの原価率・粗利額を分けて確認するのが簡単です。