「売上はあるのに、なぜか利益が残らない。」 この悩みを止める近道が、損益分岐点の週次運用です。
月末に振り返るだけだと、気づいた時には1か月分の赤字が積み上がっています。
先に結論
- 損益分岐点は、月次資料ではなく週次アラートとして使う数字です。
- 固定費と変動費を分けるだけで、判断精度は大きく上がります。
- 週次で見れば、価格・シフト・販促の修正が翌週に打てます。
2026年に週次管理が必要な背景
帝国データバンクの2026年1月13日公表では、2025年の飲食店倒産は900件で過去最多でした。
価格転嫁率も32.3%と、全業種平均39.4%を下回ります。
さらに総務省統計局の2026年1月23日公表値では、2025年12月の全国CPIは
- 総合指数
113.0(前年同月比+2.1%) - 生鮮食品を除く総合指数
112.2(前年同月比+2.4%) - 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数
111.5(前年同月比+2.9%)
コストがじわじわ上がる環境では、月1回の計算だと遅れます。
計算式は2つだけ
限界利益率 = (売上 - 変動費)÷ 売上
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率
難しく見えますが、入力する数字は少ないです。
- 固定費: 家賃、人件費の固定部分、保険料など
- 変動費: 食材、包材、決済手数料など売上連動コスト
週次の実例
前提(1週間):
- 固定費: 420,000円
- 売上: 1,200,000円
- 変動費: 720,000円
限界利益率 = (1,200,000 - 720,000) ÷ 1,200,000 = 0.40
損益分岐点売上高 = 420,000 ÷ 0.40 = 1,050,000円
この週は、
- 実売上 1,200,000円
- 分岐点 1,050,000円
- 安全余白 150,000円
という読み方になります。
ここまでで終わらせない
損益分岐点だけで安心すると、翌週に崩れやすいです。 必ず次の3点を同時に見ます。
- 安全余白(実売上 - 損益分岐点)
- 前週比の変化
- 売上上位5商品の原価率変化
週次アラートの目安
- 安全余白が2週連続で縮小
- 限界利益率が前週比で0.03以上悪化
- 売上上位商品の原価率が3pt以上上昇
どれか1つでも出たら、翌週に修正行動を入れます。
修正行動はこの順で
- 高原価商品の価格・構成を見直す
- 低売上時間帯の人時を最適化する
- 粗利の薄い販促を止める
一度に全部やるより、1週に1施策のほうが効果検証しやすいです。
週10分テンプレ
- 月曜: 先週実績を入力
- 火曜: 分岐点と安全余白を確認
- 水曜: アラート条件を判定
- 木曜: 来週の修正施策を1つ決定
今週のチェックリスト
- 固定費・売上・変動費を週単位で集計した
- 限界利益率を計算した
- 損益分岐点売上高を計算した
- 安全余白を出した
- 来週の修正施策を1つ決めた
まとめ
損益分岐点は、経理の専門数字ではありません。 「今週いくら売らないと赤字か」を見える化する、現場の意思決定ツールです。
週次で回し始めるだけで、赤字の早期発見と修正スピードが変わります。